皆様、いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の小川です。
本日は【戦略編】整骨院が競合院と差別化を図るための8つのポイントの続きとなります。
まだお読みでない方は、上記コラムをお読みいただけますと幸いです。
さて、改めてではありますが、経営戦略を立てる上で重要な他社(院)と差別化を図る際に意識すべき8つの要素は下記となります。
<差別化の8要素>
1.立地
2.規模
3.ストアロイヤリティ
4.商品力
5.販促力
6.接客力
7.価格力
8.固定客化力
この順番は重要度も表しています。
1~3は戦略的差別化=すぐに変えられない≒ハード面
4~8は戦術的差別化=経営努力で変えられる≒ソフト面
この差別化の8要素を整骨院に当てはめてみると・・・
1.立地(整骨院の利便性、商圏人口)
2.規模(整骨院のスタッフの多さ、坪数、売上規模の大きさ)
3.ストアロイヤリティ(創業からの年月、整骨院の認知度およびブランド)
4.商品力(明確な治療コンセプト、USP)
5.販促力(オンライン&オフライン集客)
6.接客力(内装、初診対応、クリンネス、トーク、ツール)
7.価格力(競合他社(院)と比較した際の価格優位性、価格の根源的分岐点)
8.固定客化力(リピート、離反)
といった形になります。
本コラムでは4~8(戦術的差別化)について解説させていただきます。
【4.商品力】
商品力を考える上で最初のステップとなるのが、
自社(院)の「治療コンセプト」は何か?という点です。
治療コンセプトとは、「治療における一貫した考え方」のことです。
具体的には、
・どんな患者様を
・どんな方法で
・どれくらいの期間/頻度/回数で
・どのような状態にするのか?
・なぜそれは可能なのか?
・どうやってできたことを証明するのか?=施術の効果を可視化
上記を明文化(≒共通言語化)し、全スタッフが同じ考え方を持ち、治療を提供していく必要があります。
そして、その治療コンセプトをベースに、
・量:在庫量、価値提供の即応性
⇒ベッド台数、施術スタッフ数、営業時間=治療院は施術枠を売っているため
・数:ラインナップ、様々なお悩みへの対応性
⇒対応症状の幅を広げる、美容、EMSなど
・幅:料金の価格帯、様々な懐事情への対応性
⇒様々な顧客層に対応できる料金帯の整備、競合他社の包み込み、差別化
の観点から自社(院)の商品を設計していきます。
商品とは、会社の存在意義を代弁するものでもあります。
整骨院という看板を持ちつつ、実態としてはどういった考え方やコンセプトを持った”何屋”なのか?を明確にしていただければと思います。
【5.販促力】
販促力とはマーケティングのことです。
マーケティングとは「商品やサービスが売れ続ける仕組みを創ること」を指します。
例えば、前項でどれだけ良い商品を創ったとしても、その商品を欲する方へ伝える手段がなければ、意味を為しません。
つまり、
「地域にお住いのお身体のことでお悩みの方」に対し、
「自社(院)の治療という商品」を、
「提供するための導線創り」が、販促力にあたります。
そして、整骨院の場合、その手段は大きく「オンライン」「オフライン」の2つに分けられます。
具体的には、
・オンライン
⇒HP作成
⇒PPC広告
⇒MEO、Yahoo!プレイス
⇒SEO
⇒ポータルサイト
⇒SNS(LINE、Instagram、Facebook、Twitter、YouTube)
・オフライン
⇒紹介戦略
⇒院内POP・掲示物
⇒配布物
⇒紙芝居ツール
⇒外観
⇒看板
などが挙げられます。
【6.接客力】
接客力は文字通り「接遇・サービス」を表します。
整骨院の提供している価値は「治療」という無形商材であり、その無形商材を提供していく上で接客力が提供価値の大小を大きく左右します。
具体的には、
・電話対応
・クリンネス、環境整備
・お見送り
・表情
・言葉遣い
・身だしなみ
などが挙げられます。
また、こういった接客の部分は個人差があることも多いです。
そのため、「トークスクリプト」「ツール」「チェックリスト」を設け、院全体で接客力の標準化および底上げを図っていく必要があります。
【7.価格力】
価格力とは読んで字の如くですが、プライシング(商品やサービスの価格設定をすること)を指します。
一般家計における不必要品にかけられる金額は約2万/月前後と言われており、もちろん、自社(院)の価格が適切かどうか?は競合状況と第三者評価によっても左右されます。
その際に押さえていただきたいのは以下2点です。
①価格の根源的分岐点
「価格の根源的分岐点」とはお客様の予算を考えるときの数字の基準を「1,2,3,5,」で捉える考え方です。
商品を購入する際に頭に浮かべる予算は「1,2,3,5」であり、
具体的には、「1,000円、2,000円、3,000円、5,000円、1万円、2万円、3万円…」という形です。
これは人間の指が5本しかないことに関係しており、上記は片手で数えられる数字になります。
また、価格における数字を(4,8,18)を基準として考えます。
統計的にみると、予算が1万円で購入を検討している方は、8,000円から18,000円までの商品を購入する見込みが高いです。
更に、予算が2万円、3万円、5万円の人がどの価格の商品を購入するのかというと、
・2万円:18,000円~27,000円
・3万円:27,000円~40,000円
・5万円:40,000円~80,000円
となります。
つまり、価格は(4,8,18)を根源的分岐点として繰り返されます。
以下、表にするとこのようになります。
整骨院に置き換えると、4,500円の自費メニューの設定を、4,000円に引き下げると3,000円で想定していた客予算の方でも取り込むことができます。
当然ではありますが、地域の競合院と比較することと後述する分単価の観点から料金を設定することも重要です。
②分単価
分単価とは「1分あたりの施術単価」を指します。
計算方法は
「施術料金÷施術枠の分数」です。
生産性の観点から上記の計算で150円~200円の分単価を目指していただきたいです。
整骨院は施術枠を売っており、
「スタッフの稼動時間には限界がある=個人当たりの売上には限界がある」
からです。
そのため、時間当たりの単価を上げることが必須です。
1分単価が1%上がれば、売上も1%上がります。
年商3,000万円なら、30万円売上が上がります。
1分単価が上がれば、より短い時間で売上を作ることができ、
店舗あたり、ベッドあたりの売上限界も底上げすることができます。
整骨院が患者様に真に提供すべきは「時間」ではなく「効果」であり、
「痛みや不調を根本的に改善していきたい」
「痛みを再発させたくない」
「信頼できる人に体をメンテナンスして欲しい」
といったニーズに対し、短時間×高効果の治療を提供していく必要があります。
【8.固定客化力】
固定客化力とは、言い換えると「リピート」を指します。
整骨院は新規(完全新規+再診者)がいることが前提です。
初診から1週間~3ヶ月で患者様は当初のニーズ(痛みなど)がクリアになれば卒業します。
ですので、新規が途絶えると必然的にカルテ枚数は減少します。
患者様一人一人が半年~1年以上整骨院に通院し続けてくれる、
もしくは何かしらの形でお金を落としてくれる仕組みを作る必要性があります。
そのためには、
・初診対応の設計の見直し
⇒問診、検査、治療提案、通院計画、クロージング
・メンテナンス誘導の見直し
・定期的に離反者をピックアップ⇒改善案を検討する会議を実施
・LINEのアカウント数アップ=患者様と個別に連絡が取れるように
・会員制の導入
などの対策が挙げられます。
以上、差別化の8要素の4~8(戦術的差別化)を整骨院経営に置き換えて解説させていただきました。
自社(院)の状況を分析するにあたり「差別化の8要素」に当てはめると、競合優位性がどこなのか?経営資源をどこに集中させていくべきなのか?が明確になるかと思います。
ぜひ差別化の8要素を活用し、自社(院)の魅力を再発見してみていただければと思います。
また、船井総研では、全国の整骨院の一次情報を収集・分析し、
時流に合った対策やビジネスモデルの提唱を行っています。
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