目次
KPIを月1で見るだけ!現場が変わるデータ活用術
整骨院経営者の皆様、こんにちは!日々の患者様対応や院の運営で、ついつい後回しになりがちな「経営分析」や「データ活用」。でも、「KPIを月1で見るだけ」で、現場が劇的に変わるってご存知でしたか?
今回は、そんなKPIの活用法と成功事例をお届けします。このコラムを読んで、明日からあなたの院の経営を「見える化」し、スタッフと共に「次の一手」を打つヒントを掴んでいきましょう!
1. この記事はこんな方におすすめ
「KPIってよく聞くけど、結局何から手をつければいいか分からない…」
「現場のスタッフがもっと主体的に動いて、生産性を高めてほしい!」
「なんとなくの目標じゃなくて、数字でしっかりと成果を出したい!」
「他の院との差別化を明確にしたい!」
とお悩みの経営者様。KPIは、目標達成に向けた各プロセスにおいて、達成度合いを計測するための指標であり、これを正しく運用できていない組織は少なくありません。
KPIを設定することで、現状と目標の差分が明確になり、費やすべき時間や人員数を計算できるようになります。
整骨院業界は現在成熟期に突入しており、新規患者依存のビジネスモデルから脱却し、リピート率を最大化していく必要があります。
2. KPIとは?経営改善の羅針盤を理解する
✅KPIの基本:目標達成のための「見える化」指標
KPI(Key Performance Indicator)とは、目標達成に向けた各プロセスにおいて、その達成度合いを具体的に測るための「重要業績評価指標」のことです。例えるなら、船を目的地へ導くための羅針盤のようなもの。これを設定し、現状数値を時系列で比較することで、過去と比べて「良化している要素」と「悪化している要素」がわかるようになります。
✅KGIとの違い:最終目標と中間目標の関係
KPIとよく比較されるのがKGI(Key Goal Indicator)です。KGIは「最終的なゴール地点」を指し、例えば「売上〇〇円達成」や「顧客満足度〇〇%向上」といった、企業が最終的に目指す目標です。それに対し、KPIはKGIという最終目標に到達するための「中間地点での進捗度合い」を示す指標なんです。KPIはあくまでKGIを元にした中間地点であり、KGIがなければ成立しません。
✅なぜKPIが必要なのか?その3つの理由
🔹 課題の早期発見と効果的な戦略策定: KPIを設定し、現状の数値を時系列で追うことで、「何がうまくいっていて、何が悪化しているのか」が明確になります。課題がはっきりすれば、ムダなく有効な対策を立てられます。
🔹 リソースの適正配分と組織の推進力向上: 「この目標を達成するには、どのチームに、どれくらいの予算や人員を割けばいいか」が具体的になり、リソースの無駄をなくします。また、具体的な数値目標は、スタッフ全員が同じ方向を向いて行動するための共通認識となり、組織全体のモチベーションと推進力を高める効果があります。
🔹 PDCAサイクルを効率的に回す: KPIがあれば、施策の効果が数字で「見える化」されるため、PDCA(計画→実行→評価→改善)サイクルを根拠に基づいて回せるようになります。経験や勘に頼るのではなく、データに基づいた改善が可能になるのです。
3. 対策を怠るとどうなる?放置リスクと現実的な課題
📌「なんとなく経営」の落とし穴
KPIを設定せず、漠然とした目標管理を続けていると、ビジネス活動の効果が見えにくくなります。スタッフの行動も「なんとなく」に終始しがちで、打った施策が本当に効果があったのか検証もできません。これでは、最終目標の達成は遠のくばかりでしょう。
📌KPIが多すぎる、または目的を見失う危険性
「よし、KPIを導入しよう!」と意気込んで、あれもこれもと指標を設定しすぎると、かえって管理が複雑になり、スタッフの行動目標もブレてしまいます。データの分析にも余計なコストがかかり、本来の業務を圧迫するリスクも。さらに、KPIの数値達成にばかり目が行き、本来の最終目標を見失ってしまうケースも少なくありません。メンバーへ数値責任ばかりを追求していては、組織全体の方向性はブレていきます。
📌部門間のサイロ化と軋轢
部門間が分断されている組織の場合、それぞれの部門が設定したKPIが軋轢の原因となる可能性があります。例えば、営業部門が強引なクロージング手法を用いた結果、カスタマーサクセスの重要KPIである「顧客継続率」が低下する、といった事態も起こり得ます。このような事態を防ぐためには、部門間の連携を強化し、それぞれのKPIを共有・可視化するなどの工夫が必要です。
📌成熟期業界の厳しい現実
整骨院業界は、人口減少、保険適用範囲の厳格化、競合の増加といった課題に直面し、すでに「成熟期」に突入しています。船井総合研究所の報告書によると、療養費の伸び率が低下する一方で施術所数は増加傾向にあり、1店舗あたりの療養費は減少しています。このような状況で新規患者の獲得だけに依存するビジネスモデルでは、持続的な成長は困難です。適切なKPIを設定し、リピート率向上など「既存顧客の固定化」に力を入れなければ、経営が立ち行かなくなるリスクが高まります。
4. まず取り組みたい基本的なKPI対策
1. KGI(最終目標)の明確化からスタート!
まずは、あなたの院が「最終的にどうなりたいか」を数値で明確にしましょう。例えば、「年間売上〇〇万円達成」「営業利益率〇〇%向上」などです。KGIは、売上高、粗利益、貢献利益などを指標にするケースが多く、特に貢献利益は各部門の努力でどうにもならない要素を度外視できるため、近年増加しています。
2. KGIを構成要素に分解する「KPIツリー」
KGIが決まったら、それを達成するために必要な要素を細かく分解していきます。この時に役立つのが「KPIツリー」です。最終目標から逆算して、それを構成する中間指標を樹形図のように可視化します。KPIツリーを用いると、目標達成のために必要な事項や、うまくいかなかった原因を可視化する際に有効です。例えば、「売上」をKGIとすれば、「カルテ枚数」「通院頻度」「1回あたりの支払単価」などがKPI候補となるでしょう。
3. コントロール可能な「重要KPI」を選定し、具体的な数値目標を設定
分解した要素の中から、「これなら自分たちの努力でコントロールしやすい!」という指標をKPIとして選びます。例えば、スタッフの行動で大きく変動する「新規患者からの2回目リピート率」や「楽トレの提案数」などです。選んだKPIには、「来月までに〇〇%にする!」といった具体的な数値目標を必ず設定しましょう。
4. 事前の「軌道修正プラン」が成功の鍵
KPIの進捗が悪かった時に「どう対策するか」をあらかじめ決めておくことで、慌てずに素早く対応できます。例えば、「リピート率が目標を10%下回ったら、初回カウンセリングの内容を見直す」など、具体的なアクションを想定しておくことが大切です。
5. SMARTの法則でKPIの質を高める
KPI設定の際は、「SMARTの法則」を意識しましょう。この法則は目標設定のフレームワークであり、以下の5つの要素を満たすKPIを設定することで、組織への効果を最大化できます。
- Specific(明確):誰が見てもわかる具体的な内容か。
- Measurable(測定可能):数値で計測できるか。
- Achievable(達成可能):現実的に達成可能な目標か。
- Relevant(関連性):KGIと関連しているか。
- Time-bound(期限):いつまでに達成するかが明確か。
6. 数値だけでなく、「なぜ」を共有する
スタッフにKPIを共有する際は、単に数値を伝えるだけでなく、「なぜこの数値を達成する必要があるのか」「これを達成することで患者様にどんな良い影響があるのか」という意図や背景、ストーリーをセットで伝えることが重要です。これにより、スタッフの納得感と主体性が高まります。
7. ITツールの導入で「見える化」を加速!
KPIのデータ収集や分析、進捗確認を効率的に行うには、CRM/SFAツールの活用が非常に有効です。例えば、船井総研が提供する「グロースクラウド」のようなシステムは、会計データを瞬時に整理分析し、売上管理、予実管理、リピート率、離反者対策、新規患者の来院経路集計などをリアルタイムで「見える化」できます。チャットボット導入でLINEアカウントの問い合わせ数UPに繋がった事例もあり、今までは問い合わせフォームに行かないと連絡できなかったのが、どのページからでも問い合わせ可能になります。アナログな入力からデジタル化することで、人的ミスを減らし、効率的なデータ収集が可能になります。
5. よくある質問:KPI活用、ここが知りたい!
Q1: KPIはいくつ設定すればいいですか?たくさん設定した方が良いですか?
A: いいえ、闇雲にたくさん設定するのは逆効果です。設定するKPIが多すぎると、マネージャーの管理負荷が増す、メンバーの行動目標がブレる、データの分析にコストがかかるといった弊害が生じます。まずはKGI達成に直結する「本当に重要なKPI」に絞り込み、3〜5個程度から始めるのがおすすめです。慣れてきたら必要に応じて追加を検討しましょう。
Q2: 整骨院で設定する具体的なKPIの例を教えてください。
A: 院のKGIによって変わりますが、船井総合研究所が推奨する目標数字も踏まえ、一般的には以下のようなKPIが考えられます。
- 新規患者数(オンライン・オフライン別):集客施策の効果を測ります。
- 2回目リピート率(船井総研推奨90%以上):初回カウンセリングや施術の質、患者様への価値提供を評価します。
- 5回目リピート率(船井総研推奨60%以上):治療計画の提案や継続への誘導が適切かを測ります。
- 平均客単価(自費+保険):提供するサービスの価値と、患者様への提案力が適正かを測ります。
- 自費誘導率(保険から自費治療への移行率):自費治療の重要性を患者様へ伝えられているかを測ります。
- 施術者一人あたりの生産性:スタッフの効率と成果を測る指標です。
- 離反率(途中離脱の患者数):患者様が来院しなくなる原因を分析し、改善に繋げます。ドロップ人数やプリペイドカード残金のある失客は無言のクレームと捉え、ドロップ会議で再発防止策を練り、行動に移すことが重要です。
Q3: KPIのデータはどこから取得すれば良いですか?
A: 多くのデータは、日々の業務の中で取得可能です。
- 売上、客単価、患者数:レジシステムや会計ソフト、または日報(日別担当・成果の記入)などから情報を読み上げて全員で記入し、把握します。
- リピート率、継続率、離反者:予約システム、CRMシステム、カルテ情報、会員管理システムなど、会員の新規・変更・休会の管理や、キャンセル確認を通じて行います。
- 新規患者の来院経路:問診票や新規問い合わせシート、WEB広告の管理画面、MEOツールなど。IT委員会が各院の口コミ取得管理やGoogle投稿、交通事故カルテ数、新規数計測などを行っています。
- 患者様の状態変化(Before/After):姿勢の写真(楽トレ初回時)、視覚・触覚などの感覚でBefore→Afterを患者様に把握していただくことが重要です。
これらのデータをExcelなどで集計するだけでも始められますが、効率を考えると、整骨院に特化したCRMツールやデータ分析システムを導入するのがおすすめです。
Q4: 現場スタッフにKPIを共有しても、なかなか浸透しません。どうすればいいですか?
A: 浸透には「なぜそのKPIを追うのか」の理由付けと、継続的なコミュニケーションが不可欠です。
- 「自分ごと」として捉えてもらう:「このKPIを達成することで、患者様がこんなに喜んでくれる」「あなたの成長に繋がる」といった具体的なメリットを伝えます。スタッフが成長実感や自己実現できる職場を作ることで、モチベーションを高めます。
- 数値は「人格」として捉える:数字の裏にある患者様の満足度やスタッフの努力を評価し、承認する文化を育みます。
- フィードバックの機会を増やす:一方的に指示するのではなく、面談(月初面談、中間面談、1 on 1面談など)や朝礼・終礼で「どうだったか」「どうすれば良くなるか」をスタッフ自身に考えさせ、引き出すコーチングを意識しましょう。上司は部下の支援者としてフィードバックの5段階(事実、主観、評価、指示、命令)を役職や相手に合わせ使いこなす言語化能力が求められます。
6. 成功事例から学ぶKPI活用のヒント
整骨院業界で成功を収めている企業は、KPIを単なる数字としてではなく、経営戦略の中核に据え、スタッフの成長と組織力強化に繋げています。
🔹 株式会社Limitless(ハーツブリッジ)様の事例 「愛が溢れる経営」を理念とし、組織の理念浸透や目標達成、仕組み化、実行度、人間性、FB(フィードバック)能力といった多角的な課題にリーダー層が取り組むことで、年商4.8億円、従業員数78名(施術スタッフ50名)という実績を上げています。これは、まさにKPIを現場に落とし込み、スタッフ一人ひとりの成長を促した結果と言えるでしょう。経営計画書を社員教育の基本とし、知識、手の技術、耳の技術、心の技術、口の技術という「5つの技術」の習得を重視しています。特に耳の技術と心の技術がヒアリング能力として治療家にとって最重要な能力とされています。
🔹 高リピート率を実現する「初診対応」 多くの成功事例では、初診時のカウンセリングと治療計画にKPIが深く関わっています。患者様が「この治療を続ければ改善する」と実感できるような効果提供、身体のプロとしての通院ペースの明確な提示(例:治療の全体像を提示し、短期的な目標を設定)、そして回数券などの商品提案を適切に行うことで、リピート率を高めています。特に、視覚や触覚を使って患者様に身体の変化を実感してもらうことや、数字を使って具体的に説明すること(例:治療回数や期間を明確に言い切る)が効果的です。
🔹 DX推進による生産性向上 整骨院業界は「生産性向上」が必須の時代です。成功企業では、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、事務作業の効率化やデータの自動分析に力を入れています。浮いた時間を「対策」と「治療」に集中させることで、労働生産性月150万円という目標に近づいている事例もあります。IT投資開始企業は、IT投資非開始企業に比べて時間が経過するにつれて利益率が高くなる傾向が見られます。
🔹 経営計画書と評価制度の連動 経営計画書は、会社の沿革、コンセプト、人材育成、各種方針(勤怠、決算、個人情報保護、守秘義務、勤怠、新人研修、時間管理、数字、クレーム、社員、教育など)を網羅したスタッフにとっての「攻略本」です。この計画書に基づいて、定量評価(売上、リピート率など)と定性評価(専門性、組織行動、マネジメントなど)を組み合わせた評価賃金制度を構築・運用することで、社員の成長を促し、定着率向上に繋げています。社員教育の基本は「経営計画書」「経営計画発表会、社員総会」「クラス別勉強会」であり、実務の場(朝礼、終礼、3つのフォロー、院長技術チェックなど)でも行われます。
7. まとめ&KPIで困ったときの相談先
いかがでしたでしょうか?KPIは、ただの数字の羅列ではありません。あなたの院の「今」を映し出し、未来への「次の一手」を導き出す羅針盤です。
適切なKPIを設定し、スタッフ全員でその意味を理解し、PDCAサイクルを回していくことで、
📌課題が明確になり、打つべき施策が見えてくる。
📌スタッフの主体性が育ち、現場の推進力が高まる。
📌漠然とした目標ではなく、具体的な成果に繋がりやすくなる。
📌結果として、売上向上や生産性アップといった業績改善に繋がる。
「でも、具体的にどう始めたらいいの?」「うちの院に合ったKPIが分からない…」そんなお悩みをお持ちの経営者様もいらっしゃるかもしれませんね。ご安心ください!
船井総合研究所では、300社を超える整骨院様の成功事例を凝縮した「整骨院業績アップマニュアル」を提供しています。これには、KPI設定やデータ活用の具体的なノウハウも詰まっています。また、個別の無料経営相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
現場経験豊富なコンサルタントが、先生の個別具体的な課題に親身に寄り添い、明日から実践できる具体的なヒントや解決の方向性を、直接お伝えします。
▼無料相談(60分・オンライン/対面)を予約する
このコラムが、あなたの院の経営をさらに飛躍させる一助となれば幸いです。共に、地域の皆様の健康を支え、愛される整骨院を創っていきましょう!
まずは無料個別相談で整骨院経営のお悩みを解決!

弊社の整骨院・接骨院・整体院の経営専門のコンサルタントが、初回のみ無料で個別相談をご対応させて頂きます。
・売上を伸ばしたいが、何から始めればいいのかわからない
・患者様数を増やしたいが、何から始めればいいのかわからない
・採用をしたいが応募が全然こない
・事業拡大に伴い、育成環境や評価制度を整備したい
など、様々な経営のお悩みに対応しております。
是非、無料個別相談をご活用ください。
船井総研ならではの治療院経営の現場最新情報&ノウハウが満載の無料メールマガジン
自費治療で売上が月200万円以上UP!新規交通事故患者が毎月8名以上集まる!
その秘密を無料メルマガで大公開!!