保険依存整骨院が自費治療移行・導入で失敗しないために大切な5つのポイント

2016年6月3日配信

カテゴリ:
経営

こんにちは。船井総研松本です。

自費治療を導入される方が増えてきています。

今までの保険療養費の推移としましては、

・2004年=3370億円(1院当たり1213万円)
・2007年=3830億円
・2008年=3933億円
・2009年=4023億円
・2010年=4068億円
・2011年=4085億円
・2012年=4025億円
・2013年=3893億円(1院当たり885万円)
※出典「厚生労働省」

といった形で、ここ10年の1院当たり保険収入推移は、

「-328万円(27%減)」

と減少しています。

現在も改定についての議論がなされていますが、過去の改定では3部位以上の請求比率が、

◆三部位以上の請求比率
・平成21年=50.8%
・平成24年=34.6%
・平成25年=24.7%
 ※平成25年4月~26年3月 ※出典=全国健康保険協会

と、改定後たった4年で半減しています。

現在は、長期・頻回への対策から「部位ころがし」を削減する。

といった、政府の指針がでています。

※「2016年療養費改定の検討内容と柔道整復師に係る給付のあり方の見直し方針への指摘」

http://ec2-13-114-106-60.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com/column/1271/

この様な環境から、

「自費治療を伸ばしたい」
「自費治療はどうやって導入したら良いのか?」
「自費治療を導入しているが、伸び悩んでいる・・・」

と、相談されることも増えてきました。

正直な話ですが、自費治療についてはポイントを押さえずに導入すると失敗するケースが多いです。

よく、経営相談時に伺うお悩みは、

・自費を導入したいが、自費で提供できる技術がない
・自費治療を導入したが、患者数が減ってしまい売上が下がってしまった
・自費治療と保険治療の区別がつかない
・自費治療で集患できていない
・自費を導入したら、リピート率が下がってしまった
・地域性があるから自費は向いていない
・スタッフからの反対にあっている
・自費治療でやっていける自信が持てない
・自費でお金を頂くことに抵抗がある
・完全自費に切り替えて患者数が激減してしまった
(施術時間10分~15分で1回5,000円~10,000円設定は特に留意する必要があります)
・自費を導入したいが、具体的には何をしたら良いのかわからない

といった事です。

自費治療は、軌道に乗ると大きな収益の柱になりますが、
ポイントを外してしまうと失敗する可能性を秘めています。

よくある失敗ポイントは、

1.価格設定の間違い
2.集患の間違い
3.オペレーションの間違い
4.導入ステップの間違い
5.教育の間違い

の5つです。

―――
1.価格設定の間違い

価格設定で良くある失敗としましては、

安すぎる設定=60分3,000円(分単価50円)、10分1,000円(分単価100円)
高すぎる設定=10分5,000円(分単価500円)、10分10,000円(分単価1,000円)

といった形で、分単価を「安く」もしくは「高く」設定することで失敗している方が多いようです。

もちろん、

安すぎる場合=人件費を安く、歩合orパートでの大量雇用(激安整体)
高すぎる場合=カリスマ院長

といった形で成功されている方もいらっしゃると思います。

しかしながら、多くの立地で

「再現性」

と、

「働くスタッフさんも含めた幸せ(長期雇用)」

の観点から行くと、

「患者様から支持されやすい」
「1人当たり生産性も上がりやすい」

価格設定がおススメです。

分単価の目安としては、

・分単価=150円~200円
・保険併用の場合=2,000円~3,000円
・完全自費の場合=3,000円~5,000円

といった設定が、一般的な整体・マッサージ(5,000円~6,000円)よりも安く、価値を伝えやすい価格帯になります。

―――
2.集患の間違い

良くある間違いが、

・HPは作ったけれど集患できていない
・今までと集患方法を変えていない

というケースです。

まずは、HPについては、作るだけでは集まらなくなってきていることが現状です。

昔は、HPを作成している会社が少なかったため、

・作るだけ

で、成果が出ていた時期もありますが、現在はそれだけでは集まりづらくなっています。

・立地特性別のHP制作
・立地特性別のアクセスUP策
・ポータルサイト活用(特にエキテン)

が必要です。

私たちの実績としては、人口2万人の町から首都圏まで集患できているデータがあります。

各立地の特性としては、

・人口が多い地区
=検索数多、広告費高、上位表示難易度高、競合多
→競合他社との「差別化」といかに「安く、多くの人」に見てもらえるか?

・人口が少ない地区
=検索数少、広告費安、上位表示難易度低、競合少
→いかに多くの人に、多くの媒体で見てもらえるか?

といった特性と押さえたいポイントがあります。

立地特性別の対策を間違わなければ、日本全国しっかり集患することができます。

―――
3.オペレーションの間違い

保険診療の時と同じような説明では、患者様は2回目以降来院くださりません。

良くある失敗が、

・保険診療時と同じような「問診→治療計画」
・「検査」と「評価」をしていない
・そもそも、患者様の身体について説明していない
・治療計画を伝えていない
(「次は〇日に来てください」だけで、全体像が不明なケースが多い)

といった事があります。

自費治療の場合、癒しではなく「本当に不調を改善したい」「効果を求めている」患者様が増えます。

そのため、

・現在の身体の状態についての理解
・治療方法についての理解
・治療方法が不調の原因に効果がある理由
・治療の全体像についての理解

が必要です。

売り込む必要は全くありません。

その代り、患者様の身体の状況を伝えて、どうしたら改善していくか?

導いてあげる必要があります。

ここが結びつくと、仕事としてのやりがいも増えます。

―――
4.導入ステップの間違い

こちらは、

・集患方法が 整っていないまま自費を導入する
・いきなり完全自費にしてしまう
・準備期間なく既存患者様全員に自費をおススメする

といった3点です。

集患方法が整っていないままや、保険患者様の紹介で来院される方に自費治療をおススメすることは難しいです。

しかし、そもそも価格を知った上で「この施術が受けたい!」という方に自費をおススメすることはカンタンです。

そのため、WEB経由や自費患者様からの紹介患者様は非常に実費移行しやすいです。

また、患者数が多く保険100%の状態で、いきなり完全実費移行することもリスクがあります。
(一人治療院様の場合は可能なケースもあります)

そして、保険患者様に無理に自費治療をおススメするケースも失敗します。
(これは、既存の保険患者様と新規の患者様とではニーズが違うからです)

今までの患者様も大切にしながら、自費を伸ばしていくステップを踏むことをおススメしています。

―――
5.教育の間違い

スタッフさんが、

「なぜ、自費治療が患者様にとって良いのか?」

理解しないまま進めていくと、大変なことになります。

・お金を頂くことに対する罪悪感
・治療に対する自信低下
・リピート率の悪化
・院長への誤解(儲け主義と誤解される)

などが良くある話です。

しかし、「儲ける」ための自費導入は、結局儲かりません。

「保険診療内でできないことを、できるようにする」
「患者様に最適な治療を提供する」

というマインドで設計したメニューと教育を行っていくことが自費化で最も大切なことです。

―――

さて、ここまで整骨院で自費治療移行・導入で失敗しないための5つのポイントについてお話しさせて頂きました。

これらのポイントを押さえた上で、自費治療を導入・移行していくと強い柱になりまし、本当に患者様に喜ばれます。

是非、

・患者様により良い治療を提供したい
・保険制度に依存しない体質を作りたい
・自費治療で改善できる患者様を増やしたい

という方は、上記ポイントを踏まえた戦略に舵を取っていただけたらと思います

―――

<追伸>

昨年5月から「根本改善型自費治療」をテーマに実費移行を進め、わずか半年で、

・自費売上300万円
・1院売上700万円

を達成された先生をゲストにセミナーを開催します。

これから、

・「自費治療」に力を入れたい方
・自費を導入したが、伸び悩んでいる方
・よりやりがいを持って治療に当たりたい方
・スタッフさんも含めて前向きに自費治療を強化したい方

に、是非聞いていただきたい内容です。

 

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