椅子の位置・声の大きさがカギ!整骨院の高齢者接遇術

2025年8月4日配信

カテゴリ:
コンサルティング 集客 接客 整骨院 対応力

1. この記事はこんな方におすすめ

 

✓「高齢の患者様ともっと深く心を通わせたいけれど、どうすればいいか分からない」

✓「患者様への説明がなかなか伝わらず、「もどかしい」と感じる」

✓「保険診療に偏りがちな高齢患者様に対し、自費メニューの提案に難しさを感じている」

✓「患者様の来院頻度や継続率を上げ、長期的な関係を築きたい」

✓「院内の「高齢者対応」をさらに強化し、患者様からの信頼を深めたい」

 

もし、一つでも「わかる!」と感じたなら、この記事はまさに先生のためのものです。

現代の整骨院業界は、施術所の増加や療養費の減少といった厳しい時流にあります。そんな中で、新規患者様の集患だけでは売上向上に繋がりにくい時代へと変化しています。だからこそ、今、求められているのは、組織全体の力を引き上げ、スタッフ一人ひとりが輝きながら、会社として持続的に成長できる「強い組織」を築くことです。

この記事では、そんな「組織力強化」をテーマに、なぜ今それが重要なのか、そして具体的に何をどう進めていけば良いのかを、私たちの経験と豊富な事例を交えながら、わかりやすくお伝えしていきます。

 

2. 高齢者対応とは?

高齢者対応とは、単に体の施術を行うだけでなく、患者様一人ひとりの心と身体、そして生活背景に深く寄り添い、安心と信頼を提供することです。船井総研が提唱する「三者の利益」の精神にも通じるもので、患者様、スタッフ、会社すべてにとって良い関係性を築くことを目指します。

具体的には、「健康寿命を延ばす」という大きな目的を共有し、患者様が「元気で自活できる期間」を長く保てるよう、身体だけでなく「心の部分」も健全に保つサポートを行うことです。これには、患者様の「痛み」を単なる症状として捉えるのではなく、「なぜ痛みを取りたいのか」「痛みで何に困っているのか」「痛みを取って何をしたいのか」といった、痛みの改善の先にある「潜在ニーズ(本音)」を深く理解し、その理想の実現をサポートする視点が不可欠です。

患者様が「この先生は自分を本当に分かってくれる人だ」と感じ、心から安心して治療に専念できる環境を提供すること、それが真の高齢者対応と言えるでしょう。

3. 対策を取らないとどうなる?放置リスクと現実的な課題

高齢者対応が不十分なままだと、以下のような現実的な課題やリスクに直面する可能性があります。

患者満足度の低下と離反率の増加

 高齢の患者様は、特にコミュニケーションや院内の環境に敏感です。些細な不便や不安が積もると、「もう来たくない」という気持ちにつながり、離反率(当月一度も来なかった患者様の割合)が高まってしまいます。これは、安定的な患者数の確保を難しくします。

 

「口コミ」や評判への悪影響

低評価の口コミは、新規患者様の獲得に大きく影響します。特に高齢者層は、信頼できる情報源として知人や家族の口コミを重視する傾向があります。「あそこは高齢者には不親切だ」という評判が広がると、地域での信頼を失いかねません。

 

保険診療への過度な依存

柔道整復師における健康保険の取り扱いである「療養費支給申請」は、近年「請求審査が厳しくなっている」傾向にあります。3ヶ月以降の施術は請求がほぼ厳しくなるなど、長期的な保険診療のみに頼る経営はリスクが高いのが現状です。適切な自費診療への誘導ができないと、収益の安定化が困難になります。

 

スタッフの負担増とモチベーション低下

患者様とのコミュニケーションがうまくいかないと、スタッフのストレスが増大し、「やりがい」を感じにくくなることがあります。結果として、離職につながる可能性も出てきます。

 

事業成長の鈍化

競合院の増加や人口減少といった時流の中で、「多くの新規を獲得し続けることは難しくなっていく」と指摘されています。高齢者層を顧客として囲い込み、LTV(顧客生涯価値)を伸ばすことができなければ、低新患時代において業績を伸ばし続けることは困難です。整骨院事業のみでは成長が鈍化する時代であり、新マーケットの開拓が求められます。

 

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4. まず取り組みたい基本的な高齢者対応対策

高齢の患者様に安心して通い続けてもらうためには、日々の接遇から施術、そして院の仕組みまで、多角的なアプローチが必要です。

✅ 心と身体に寄り添うカウンセリング術

患者様の真のニーズを引き出し、信頼関係を築く「カウンセリング力」が何よりも重要です。高齢の患者様に対しては、特に「話を聞いてほしいと思ってもらえる状態になり、適切な解決策(治療)を示しサポートしていくこと」が求められます。

  • 「傾聴力」で潜在ニーズを引き出す: 患者様は痛みや不調という「顕在ニーズ」で来院しますが、その奥には「痛みがあることで〇〇できない、辛い」といった「潜在ニーズ」が隠れています。これを引き出すために、「目」「耳」「心=情熱」など全身を使い、真摯な姿勢で相手の状況を理解し感情に共感する「傾聴」を心がけましょう。
    • ラポール形成のテクニックを活用: 患者様との信頼関係(ラポール)を築くために、「ミラーリング」(動作や感情を合わせる)、「ペーシング」(話し方、状態、考え方、呼吸にペースを合わせる)、「バックトラッキング」(相手の言葉を繰り返すオウム返し)を意識して実践しましょう。
    • 「声の大きさ」や「話し方」への配慮: 患者様の聴力や理解度に合わせ、明確で分かりやすい声の大きさ、スピード、リズムで話すことが大切です。難しい専門用語は避け、「どうすれば伝わるのか」を常に考えながら「言語化力」を磨きましょう。
  • 「リーディング」で理想のゴールへ導く: 信頼関係が築けたら、患者様を「理想の生活」という高みに向かって導く「リーディング」を行います。先生の「自信」と「覚悟」が伝わることで、「先生に任せたい」という気持ちが生まれ、治療計画を受け入れてもらいやすくなります。

✅院内の環境整備とバリアフリーへの配慮

高齢の患者様が「安心して通いやすい」と感じる院作りは、リピートに直結します。

  • 動線と空間の工夫: 患者様が院内で迷わず、スムーズに移動できるような動線を確保しましょう。待合室の「椅子の位置」一つとっても、座りやすさ、立ち上がりやすさ、他の患者様との距離感など、細やかな配慮が求められます。
  • 清潔感と安心感の演出: 院内の「清潔感の演出」は非常に重要です。また、初めての来院時に不安を感じさせないよう、院のコンセプトを伝える工夫(ブランドブックなど)も有効です。
  • 具体的なバリアフリーの配慮: 手すりの設置、段差の解消、滑りにくい床材の採用、車椅子での移動がしやすいスペースの確保など、高齢者が安心して来院できる物理的な環境整備を進めましょう。むさし鍼灸整骨院グループのように「キッズスペースあり」と、異なるニーズにも対応している院は、幅広い患者層に安心感を提供できます。

✅施術計画の「見える化」と「安心感」の提供

施術内容や今後の見通しを明確に「見える化」することで、患者様は納得して治療に取り組むことができます。

  • 明確な「治療コンセプト」の定義: 「どんな症状やお悩みを持っている方に」「どんな直接原因と根本原因を特定して」「どんなゴール(症状、悩みがよくなるor改善するという定義)を提示し」「どんなサービスを提供して」「どんな改善・修復・解消・緩和プロセスを明示するか」を具体的に定義し、スタッフ全員が共通認識を持つことが重要です。
  • 「紙芝居ツール」と動画の活用: 治療内容や計画は、口頭説明だけでなく、「紙芝居ツール」や動画を使って視覚的に説明することで、患者様の理解を深めます。特に、みつとも鍼灸整骨院のように「動画化」することで、「同じ説明を動画化することで、施術者の手を空けることが可能」になり、品質の統一と経営の効率化を実現できます。
  • 「治療計画」の提示と「効果の実感」: 初診時に「ベストパターンの全体像」と「短期的目標」を数字で明確に提示し、患者様が「ここに通い続ければ完治する」とイメージできるような計画を立てましょう。施術後には、「ビフォーアフター」を患者様自身が「視覚・触覚などの感覚」で正しく把握できるよう、具体的に効果を見せることが大切です。

✅サブスクリプションモデルや継続的ケアの提案

高齢患者様の「健康寿命を延ばす」という目的に向け、継続的なケアを提供できるビジネスモデルを検討しましょう。

  • 「会員制」や「サブスクリプション」の導入: 「継続率を伸ばしやすい」「安定収入が見込みやすい」というメリットがある「サブスク型(継続課金)の会員制モデル」は、高齢患者様の長期的な健康維持にもつながります。患者様は「継続しやすい仕組み」と「幅広いサポート」によって、安心して通院を続けられます。
  • 「治療料から授業料へ」の視点転換: 施術を提供するだけでなく、患者様の生活に入り込み、「痛みの出ない身体づくりやそれ以上の価値を創る先生業」となり、治療に対する対価を「治療料から授業料」という考え方にアップデートすることも検討しましょう。
  • 「複合型整骨院」へのチャレンジ: 「治療」を軸としつつ、運動・栄養・美容といった「体質改善」を目的とした価値提供を複合的に行う「コングロマリット戦略」も有効です。これにより、患者様が抱える多様な悩みにワンストップで対応でき、LTV(顧客生涯価値)の最大化が期待できます。

5. よくある質問

高齢者対応に関する経営者様からの「よくある質問」にお答えします。

Q1:高齢の患者様は保険診療ばかりで、なかなか自費移行が難しいのでは?

A1: 確かに、柔道整復師における健康保険の請求審査は厳しくなっており、保険診療のみに頼るのはリスクがあります。大切なのは、「長期的な健康維持には自費診療が必要である」という「治療コンセプト」を明確に伝え、患者様と共有することです。「健康寿命を延ばす」という共通のゴールを設定し、当院の治療がそのゴール達成にどのように貢献するのかを丁寧に説明しましょう。例えば、みつとも鍼灸整骨院のように、「猫背」という問題を解決するための「問題解決型サブスク」や、全身のバランス調整、筋肉調整などの独自技術を通して、単なる痛みの緩和だけでなく、より質の高い「健康」という価値を提供することで、自費メニューへの理解と納得を促すことができます。

Q2:認知症の患者さんへの対応で特に気を付けることはありますか?

A2: 認知症の患者様への対応には、より一層の「共感」と「分かりやすさ」が求められます。

  • 安心感を与えるコミュニケーション: 「傾聴力」を駆使し、患者様の話すスピードやボリュームに合わせて、ゆっくりと、はっきりと話しましょう。そして、相手の言葉を繰り返す「バックトラッキング」を活用し、「あなたの話をしっかり聞いていますよ」という安心感を伝えてください。
  • 視覚的な情報の活用: 口頭での説明だけでなく、写真やイラスト、簡潔な文字を用いた「紙芝居ツール」を活用し、視覚的に訴えかけることで理解を助けます。
  • 一貫した対応と環境整備: どのスタッフが対応しても同じように安心できる「一貫性のあるコンセプト」と、清潔で落ち着いた院内環境が重要です。患者様が安心して施術を受けられるよう、「今何をしているのかわかるように実況中継をしながら伝える」ことで、不安を取り除いていきましょう。

Q3:高齢患者さんのご家族への説明はどのように進めるべきでしょうか?

A3: 患者様だけでなく、ご家族にも治療方針や進捗を理解していただくことは、治療の継続と信頼関係構築に不可欠です。

  • 「三者間の情報共有」を徹底: 患者様、スタッフ、そしてご家族間で「健康の定義・治療プロセス」が共有されていることが、長期的な関係構築において最も重要です。治療計画や今後の見込みについて、ご家族にも丁寧に説明する機会を設けましょう。
  • 治療ストーリーの可視化: 治療の全体像や回復までのプロセスを「紙芝居ツール」や動画などで分かりやすく提示し、ご家族にも「見える化」しましょう。これにより、治療の必要性や期間に対する理解を深めることができます。
  • 相談の窓口を明確に: ご家族からの質問や不安にいつでも対応できるよう、相談しやすい環境を整えることが大切です。定期的な面談の機会を設けたり、必要に応じてチャットワークなどのツールを活用し、密に連絡を取り合える体制を構築することも有効です。

6. 事例紹介:高齢者対応で成功している整骨院の秘訣

高齢患者様へのきめ細やかな対応で、地域からの厚い信頼を得ている整骨院は数多く存在します。いくつか事例を挙げてみましょう。

とくしま整骨院グループhttps://tokushima-aizumi.com/

「患者様のお一人お一人の立場になって考え、的確に判断して施術を提供される使命感のある先生」がいることが強みです。痛みの出る根本原因をカウンセリングと検査で的確に判断し、根本改善を目指した施術を提供しています。また、スタッフ教育にも力を入れ、「どの先生も高いレベルの施術を提供してくれる」ため、患者様は安心して治療を受けられます。

 

むさし鍼灸整骨院グループhttps://musashi-seikotsuin.com/

「知識と経験が豊富なスタッフが、お身体の状態をくまなくチェックして、あなたにベストな施術計画を作成」しています。また、「100歳まで元気な身体作り」をモットーに、「痛み止めを頻繁に飲んでいる」「しっかり眠ることができない」など、高齢者に多い悩みに深く寄り添い、健康寿命を延ばすことに貢献しています。さらに、土日祝日も開院しており、予約制で待ち時間なく案内できる点も、高齢者にとって通いやすい要素です。

 

にこにこKARADA整骨院グループhttps://akita-nikoniko.com/

肩・首・腰・関節の痛みから交通事故施術、スポーツの怪我、産後や美容、姿勢の悩み、巻き爪やフットケア、鍼灸まで、「様々なお悩みに対応することが可能」です。施術者は全員、国家資格を保持しており、専門知識と技術力で安心感を提供。高齢患者様だけでなく、あらゆる年代の患者様に対応できる総合力が強みです。

これらの成功事例に共通するのは、「患者様一人ひとりに真摯に向き合い、その方のニーズに合わせた最適な治療とサービスを提供している」という点です。

7. まとめ&高齢者対応で困ったときの相談先

 

超高齢社会において、整骨院経営を安定させ、持続的に成長させていくためには、高齢患者様への「対応力」を磨き上げることが不可欠です。

今日お伝えした「心と身体に寄り添うカウンセリング術」「院内の環境整備とバリアフリーへの配慮」「施術計画の見える化と安心感の提供」、そして「サブスクリプションモデルや継続的ケアの提案」は、高齢患者様からの信頼を獲得し、LTVを最大化するための重要なステップです。

「知っている」と「出来る」は全く違います。実際に院に落とし込み、スタッフ全員で実践していくことが何よりも大切です。時には、「本当に業績が上がるのか?」と不安に感じることもあるかもしれません。しかし、時流に適応し、行動できたものだけが生き残る時代です

もし、「具体的にどう取り組めばいいか分からない」「うちの院に合った高齢者対応の戦略を立てたい」「スタッフへの落とし込みが難しい」といったお悩みがありましたら、ぜひ専門家にご相談ください。

船井総研では、貴院の状況に合わせた具体的なノウハウやスキルを提供し、目標達成まで伴走いたします。

 

このコラムが、貴院のさらなる発展と、高齢の患者様へのより良いサポートのきっかけとなれば幸いです。

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