目次
1. このようなお悩みはありませんか?
- 「せっかく新規で来院してくださった患者様が、なぜか継続して通ってくれず、特に2回目以降のリピート率の低さに頭を抱えている…」
- 「新規集客のための広告費ばかりが増え、集客できたとしても患者様が定着せず、まるでザルのような経営から抜け出せない…」
- 「患者様の痛みが取れたら『はい、終わり』ではない、生涯にわたる健康のパートナーとして、もっと深く、長く寄り添う関係性を築きたいのに、その具体的な方法が見つからない…」
- 「スタッフが患者様との長期的な関わりを通して、真のやりがいや治療家としての成長を実感し、院全体の組織力も高めていけるような環境をどう作ればいいか悩んでいる…」
こんなお悩みをお持ちの方はいませんか?
これらの課題は、整骨院の成長を阻害する大きな要因となり得ますが、ご安心ください。本コラムでは、リピート率向上に直結する「会員制度」の導入とその運用方法に焦点を当て、実践的な視点から徹底解説していきます。
2. 会員制度とは?リピート率向上と安定経営の鍵
整骨院業界では、新規集客の難しさや患者様のリピート率低下といった課題に直面する中で、「いかにして既存の患者様との関係性を深め、継続的な来院を促すか」が経営安定の喫緊の課題となっています。この課題に対する有効な解決策の一つとして、近年注目を集めているのが「会員制度」の導入です。
⭐会員制度がもたらす新しい価値
では、この「会員制度」とは一体どのようなものでしょうか?
一言で言えば、「患者様と整骨院が長期的な健康目標を共有し、その達成に向けて継続的なサポートを約束する、サブスクリプション型のサービス提供モデル」です。これは、従来の「痛くなったら来院し、痛みが取れたら終了」という単発的な施術や、まとまった回数券の販売とは一線を画します。
かつて、整骨院業界では回数券モデルが主流でしたが、生産性の伸び悩み、新規患者数の減少、そして患者様の早期離反という課題が顕在化しました。そこで、多くの院が「新規集客に頼らず、既存顧客が長く通うことでLTV(顧客生涯価値)を伸ばす仕組み」へとシフトする必要性を感じ、会員制度の導入に踏み切ったのです。
⭐会員制度が貴院にもたらす4つの主要メリット
具体的に、会員制度が貴院にもたらす主要なメリットは以下の通りです。
⭕初期費用のハードルを下げ、来院を促進 会員制度は、高額な回数券と比較して初期費用を抑えられるため、患者様が継続的な治療を始める際の心理的・経済的ハードルが下がります。これにより、これまで「一回きり」で終わっていた患者様が、より気軽に次のステップへと進みやすくなります。
⭕安定した収益基盤の確立 月額制や定額制の会員売上は、毎月決まった額が入ってくるため、経営の数値計画が見込みやすくなります。これは、天候や季節変動、突発的なキャンペーンに左右されやすい単発売上とは異なり、院の経営を安定させる強力な柱となります。また、一部の幽霊会員(支払いは継続しているが、来院がない患者様)は、その分の生産性向上にも繋がるという側面もあります(ただし、3ヶ月以上来院がない場合は引き落としを停止するケースもあります)。
⭕患者様との長期的な関係性構築と深いエンゲージメント 会員制度は、患者様との継続的な接点となり、単なる「治療」以上の「健康維持のパートナー」としての関係を築きやすくなります。患者様は安心して長期的な治療計画に取り組み、不安なく来院を続けられるため、結果的に信頼関係が深まり、LTVの最大化に繋がります。
⭕クロスセル(関連メニューの提案)が容易に 患者様との継続的な関係があることで、例えば「痛み改善」から「姿勢改善」「美容メニュー」「トレーニング」など、患者様の潜在的なニーズに合わせた多様な自費メニューの提案がしやすくなります。これにより、院全体の収益性が向上するだけでなく、患者様一人ひとりの「真の健康」を多角的にサポートできるようになります。
⭐会員制度導入への展望
もちろん、会員制度の導入には、来院頻度の維持や手続きの手間、単価設定など、考慮すべき課題も存在します。しかし、それらの課題を乗り越えることで、貴院は新規集客に依存しない、持続可能で安定した経営モデルへと進化できる可能性を秘めているのです。実際に、会員制を導入した整骨院の中には、約6割の患者様が成約に至るなど、高い成果を出している事例もあります。
次のパートでは、もしこれらの課題に対応しない場合、具体的にどのようなリスクがあるのかについて深く掘り下げていきます。
3. 対策を取らないとどうなる?放置リスクと現実的な課題
ここまで、会員制度が貴院にもたらすメリットについてお話ししてきました。しかし、「わざわざ新しい仕組みを導入しなくても、今までのやり方で何とかやっていけるのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。残念ながら、現状維持はもはやリスクとなりつつあります。リピート率向上や安定経営への対策を講じないままでは、貴院の未来にはいくつかの深刻な課題が存在します。
具体的に、どのようなリスクが考えられるでしょうか。
⚠️増加する新規集客コストと経営の疲弊
整骨院業界では、新規患者様の獲得競争が激化しており、ウェブ広告の費用は年々高騰しています。この傾向は今後も続くと見られ、今までと同じ広告運用をしているだけでは、利益は減少の一途をたどるでしょう。
新規集客にばかり頼り続ける「Flow型」の経営は、まるで底に穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるようなもの。どれだけ集客しても、患者様が定着しなければ、常に新しい水を注ぎ続けなければならず、経営は疲弊するばかりです。
⚠️「ザルのような経営」からの脱却不能
新規患者様が来院しても、その多くが短期間で来院を終えてしまう「早期離反」の問題は、整骨院経営における長年の課題です。痛みが取れたら来なくなる、あるいは効果を実感する前に通院を止めてしまう患者様が多いと、いくら新規を集めても売上が伸び悩み、経営が安定しません。
安定した経営のためには、新規患者に頼らず、既存の患者様が長く通い続けることでLTV(顧客生涯価値)を伸ばす仕組みが不可欠です。対策を怠れば、常に綱渡りのような経営が続くことになります。
⚠️自費メニューの成長機会損失
患者様との関係性が短期的なものに留まると、単なる「痛み取り」の治療で完結しがちです。しかし、患者様の真のニーズは、痛みの改善だけでなく、姿勢改善、美容、運動指導、予防など多岐にわたります。
会員制度のような長期的な関係性を築く仕組みがなければ、患者様の潜在的なニーズを深く引き出し、矯正やEMSといった自費メニューや物販など、院全体の収益性を高めるクロスセル・アップセルの機会を逃してしまいます。
⚠️スタッフのモチベーション低下と人材育成の停滞
治療家として、患者様が健康になっていく過程を長期的にサポートし、真の健康を追求することに喜びを感じるものです。しかし、患者様がすぐに離反してしまう環境では、スタッフも治療の成果や患者様との深い信頼関係を実感しにくくなります。
これにより、スタッフのやりがいが低下し、育成への投資も実りにくい状況に陥る可能性があります。人材の定着や成長を促す「組織力強化」の観点からも、患者様との長期的な関係構築は重要な要素です。
⚠️「治療家」としての価値提供の限界
痛みが取れたら終わり、という単発的な関わりでは、患者様のその後の健康維持や再発防止まで深くサポートすることは困難です。真に患者様のお役に立ち、生涯にわたる健康のパートナーとなるためには、継続的な来院と多角的なアプローチが必要です。
対策を怠れば、治療家としての専門性や提供できる価値が限定的となり、患者様からの信頼や「選ばれ続ける理由」を確立することが難しくなるでしょう。
これらの課題は、いずれも貴院の将来的な成長と安定を脅かすものです。会員制度は、これらの課題に包括的に対応し、持続可能な経営を実現するための強力な一手となり得ます。
4. まず取り組みたい基本的な安定経営対策
「現状を変えたい」「安定した経営基盤を築きたい」と考える経営者の皆様は、どこから手をつければ良いのでしょうか?ここでは、会員制度の導入を成功させるためにも不可欠な、そして安定経営の土台となる基本的な対策を5つの視点からご紹介します。
🔑患者様との「信頼関係」を築く「初診対応」を磨き上げる
「また来たい」と思ってもらうための最初の、そして最も重要なチャンスが初診対応です。患者様が抱える「痛み」だけでなく、その奥にある「本当のニーズ」や「理想の生活」を引き出し、共有することで、単なる症状改善以上の価値を提供できます。
✅受付での「おもてなし」 患者様の不安や緊張を和らげる「共感・ねぎらい」の言葉がけが重要です。雨の中の来院への感謝や、遠方からの来院への配慮など、マニュアルにないプラスアルファの「おもてなし」を意識しましょう。問診票には、患者様のニーズを事前に把握するため、貴院の治療メニューだけでなく、美容やトレーニング、物販など今後のアップセルに繋がる項目も追加しておくと良いでしょう。
✅問診・検査で「患者様自身が気づく」体験を 検査は、貴院が提供する治療への「根拠」を示す場です。患者様が自身の身体の問題点を視覚(鏡や写真)、触覚(圧痛)などで実感できるよう工夫し、「どこをどうすれば改善するのか」を具体的に伝えましょう。患者様自身が主張していない身体の不調を言い当てられると、一気に信頼を勝ち取ることができます。
✅治療における「効果実感」と「実況中継」 治療の目的は、患者様に効果を実感させ、「この治療を続ければ改善する」と感じてもらうことです。施術中は、今何をしているのか、どこにアプローチしているのかを細かく「実況中継」することで、患者様の不安を取り除き、施術の根拠を明確に伝えられます。治療の価値は説明で高まるため、施術の価値を適切に伝えることも重要です。
✅「未来」を見せる治療計画と「断れないオファー」 治療後の効果確認(After)は、患者様が継続通院を決める上で非常に重要です。改善点には少し誇張して結果を伝え、改善が弱い場合はその理由と「こうなれば改善する」という補足説明を忘れずに。身体のプロとして、最適な通院ペースを明確に提示し、段階的な治療計画(改善→定着→維持)の全体像を見せましょう。患者様にとって通いやすくなるよう、回数券や会員制などのお得なプランを提案することも効果的です。
🔑既存患者様を「ファン」にする「リピート・固定客化」の仕組み
新規患者様の獲得コストが高騰する中で、既存患者様のリピート率向上は、安定経営の生命線です。患者様を「単なるお客様」から「貴院のファン」へと育成する視点が不可欠です。
✅継続の「価値」を伝える患者教育 痛みが取れたら来院をやめてしまう「早期離反」は整骨院経営の課題です。重要なのは、痛みが取れた後の「健康維持」や「再発防止」の必要性を、患者様が来院する度に伝える「患者教育」です。例えば、EMSなどのサブスクメニューを治療プログラムに組み込み、継続の重要性を動画で説明することで、効率的かつ均一な情報提供が可能です。動画を見ることが当たり前になれば、顧客は営業時に構えにくくなるでしょう。
✅「顧客生涯価値(LTV)」を最大化する 会員制度は、患者様との長期的な関係性を築き、LTVを伸ばす強力な仕組みです。初期費用が高くなく成約ハードルが低いプランや、継続ハードルも低いプランを提供することで、ライト層の取り込みや安定的な会員売上確保に繋がり、他の自費メニューのクロスセルも促進できます。短期間で効果を実感してもらい、その後メンテナンスに移行できる回数券と会員制度の併用型モデルも有効です。
✅顧客との「接点」を増やし、関係性を強化する 顧客が離反する最大の理由の一つは、院との接点が少ないことです。自社発行のニュースレターの送付、誕生日DM、感謝イベントの実施など、顧客とのコミュニケーションを継続的に行うことで、関係性を強化し、リピートに繋げましょう。
🔑スタッフの「人間力」と「技術力」を高める教育体制
貴院のサービス品質を左右するのは、他ならぬスタッフの力です。患者様が安心して長く通える環境を作るには、スタッフの成長を促す教育体制が不可欠です。
✅「教える」文化の定着 会社では「治療ができるのは半人前、教育ができるのが一人前」と考えています。先輩社員が後輩の育成を義務と捉え、現場でのOJTを通じて「やり方」と「意味・目的」を粘り強く繰り返し指導することが重要です。また、「知る」ことでマンネリ防止にも繋がり、自己の立ち位置やレベルを把握できるため、外部セミナーへの参加も有効です。
✅マニュアルによる「質の統一」と「効率化」 「マニュアル」は単なる手順書ではなく、スタッフが仕事で成果を出しやすくするための「攻略本」です。成果が出ている人のやり方をそのままマニュアル化し、動画なども活用して予習・復習しやすい環境を整えることで、サービスの品質を統一し、業務効率を大幅に向上させることができます。
✅「人間力」と「主体性」の育成 患者様は治療スキルだけでなく、スタッフの「人柄」(優しさ、思いやり、気配り)も重視します。スタッフ一人ひとりが「自分のことだ」と当事者意識を持って行動し、「主体性」を持って患者様や仲間に貢献しようとすることが、組織全体の成長に繋がります。失敗を恐れず、上司や同僚からフィードバックを受け、互いに磨き合う文化を醸成しましょう。
🔑「見える化」で成果につなげる経営指標の活用
感覚的な経営から脱却し、売上やリピート率、スタッフの成長などを客観的な数値で「見える化」することは、具体的な改善策を立て、実行するために不可欠です。
✅KPI(重要業績評価指標)の明確化 「今、どこを改善すべきか」「自分が何をすべきか」を明確にするために、売上、来患数、会員数、ドロップ人数、キャンセル確認、赤札・青札(危険信号)など、数値化できるKPIを設定し、全員で記入・確認を行いましょう。これは社員のモチベーション向上にも繋がります。
✅PDCAサイクルによる「高速改善」 設定したKPIの進捗を組織全体で共有し、遅れがあればその原因を特定し、アクションプランを立てて改善するPDCAサイクルを高速で回すことが重要です。KPIは一度設定したら終わりではなく、常に業務の過程で見直し、精度を高めていく必要があります。
🔑患者様が貴院を選ぶ理由を明確にする「情報発信」
新規患者様を効率的に集め、貴院を選んでもらうためには、オンラインでの「情報発信」が非常に重要です。
✅「貴院ならでは」の魅力が伝わるWebサイト 患者様が本当に知りたい情報(治療方法、料金、施術者の人柄、アクセスのしやすさなど)を想像し、掲載することで、熱心に読んでもらえるページを作りましょう。単なる「痛み取り」だけでなく、姿勢改善や美容など自費メニューの強みを打ち出し、他院との差別化を明確にすることが大切です。信頼性や専門性、独自性の高いコンテンツ作りを心がけましょう。
✅Googleビジネスプロフィールの徹底活用 Googleビジネスプロフィールは、患者様が整骨院を選ぶ際に非常に重視する情報源です。
- クチコミの獲得と返信: クチコミの数と質は集客に大きく影響します。高評価のクチコミを積極的に集め、低評価のクチコミにも誠実に返信することで、貴院への信頼度を高め、リピーター増加にも繋がります。ただし、金銭や特典と引き換えにクチコミを依頼することはGoogleのガイドライン違反となるため、注意が必要です。
- 情報の充実: 営業時間、写真(院内外、施術中)、提供サービス、キャッチコピーなどを充実させ、患者様が知りたい情報を網羅しましょう。また、Yahoo!プレイスもGoogleマイビジネスと同様に口コミの獲得と返信が重要です。
これらの基本的な対策は、一つひとつ地道に取り組むことで、貴院の経営体質を確実に強化し、会員制度の導入がより大きな成果を生む土台となります。
5. よくある質問
整骨院経営に会員制度を導入するにあたり、様々な疑問やご不安があることと思います。ここでは、特に経営者の皆様からよくいただく質問にお答えしていきます。漠然とした疑問が、具体的な解決策へと繋がるヒントになれば幸いです。
❓会員制度を導入すると、新規患者の獲得は減りませんか❓
A: 会員制度の導入は、必ずしも新規患者様の獲得数減少に直結するわけではありません。むしろ、目的とする層が異なるため、新規集客とは別の視点でのアプローチが必要です。
会員制度は、主に既存の患者様の定着と、長期的な健康サポートを目的としています。一度来院された患者様に継続して通院していただくことで、売上の安定化を図り、患者様との強固な信頼関係を築くことが主な狙いです。
もちろん、会員制度を導入したことで、間接的な新規集客効果も期待できます。例えば、会員として長く通い、当院の施術やサービスに心から満足してくださった患者様は、「本当に良くなったから、他の困っている人にも教えてあげたい」という気持ちになります。こうした口コミや紹介は、非常に質の高い新規患者様へと繋がる貴重な経路となるのです。これは、新たに顧客を獲得する「狩猟型」ではなく、一人ひとりの患者様を優良顧客へとじっくり育成する「養殖型」のマーケティングとも言えます。
ただし、新規患者様を継続的に獲得するためには、MEO(Googleマップ最適化)やリスティング広告、SEO(検索エンジン最適化)、SNS運用など、専門的なマーケティング戦略を別途強化し続けることが不可欠です。会員制度は既存患者様との関係性を深めるツールであり、新規集客はそれとは異なるチャネルでアプローチしていく、と明確に区別して考えることが成功の鍵となります。
❓会員制度の導入に際して、スタッフ教育はどのように進めれば良いですか❓
A: 会員制度の成功は、スタッフ一人ひとりの理解と行動にかかっています。そのため、体系的なスタッフ教育が非常に重要になります。
まず、スタッフ全員が会員制度の「目的」と「患者様にとってのメリット」を深く理解することが不可欠です。単に「割引になります」という説明ではなく、「患者様の健康を長期的にサポートするために、このような仕組みがあります」と、その価値を自信を持って伝えられるようにすることが大切です。
具体的な教育のポイントは以下の通りです。
- 初診カウンセリングスキルの向上: 患者様が「なぜ継続が必要なのか」「なぜ自費治療が良いのか」を納得し、自ら「通いたい」と思ってもらうためには、初診時のカウンセリングが最も重要です。
- ニーズの深掘り: 患者様の表面的な「痛み」だけでなく、「痛みが取れたら何をしたいか」という深層的な「ニーズ(願望)」を引き出す質問力(ヒアリング力、傾聴力)を磨きましょう。患者様の話を「目」「耳」「心」で傾聴し、共感することで信頼関係を築きます。
- 分かりやすい説明: 検査結果や治療計画を、専門用語を避け、鏡や図、写真、あるいは「紙芝居ツール」など視覚的なツールを用いて分かりやすく伝える言語化能力を養います。
- 価値提案: 施術者は「身体のプロ」として主導権を握り、患者様にとって最適な治療プランを明確に提案します。料金説明は価値を伝えた後に行い、「お得感」を明確に提示することが重要です。
- ロープレの徹底: 実際のカウンセリング場面を想定したロールプレイングを繰り返し行い、自信を持って対応できるようにトレーニングを積みます。
- 患者様への動画教育の活用: みつとも鍼灸整骨院の事例のように、症状説明や美容メニューの紹介、次回予約の取り方、各回数ごとの患者教育などを「動画化」することで、説明の質を統一し、スタッフの業務効率を大幅に向上させることができます。これにより、スタッフはより多くの患者様に対応できるようになり、生産性向上にも繋がります。
- アンケート活用によるフィードバック体制の構築: 患者様からのフィードバックを定期的に収集し、サービス改善に活かす仕組みを作りましょう。これにより、会員制度の運用上の課題を早期に発見し、改善サイクルを回すことができます。また、スタッフの定性評価にも繋がり、個々の成長を促す機会となります。
これらの教育を通じて、スタッフが自信を持って会員制度を案内し、患者様との良好な関係性を長期的に築けるようになることが、成功への道筋です。
❓会員制度の料金設定で気を付けるべきことはありますか❓
A: 会員制度の料金設定は、患者様にとっての「お得感」と、整骨院の「経営安定化」という二つの側面から慎重に検討する必要があります。
まず重要なのは、患者様が「この料金でこれだけのサービスが受けられるなら、非常にお得だ」と感じる「お値打ち感(価値/価格)」を創出することです。単に「安い」というだけでなく、「この治療で、この期間、この頻度で通えるなら、結果的に満足できる」という、価値が価格を上回る納得感を提供することが求められます。
また、整骨院の経営を圧迫しない「適正価格×時間」のバランスを見極めることも大切です。これは、施術1回あたりの分単価や、会員様からの継続的な売上が安定して入ることで、数値計画が立てやすくなるメリットにも繋がります。
若松柔整株式会社の事例では、「回数券」と「会員制」を併用するハイブリッドモデルを採用し、成功しています。
- 回数券: 短期間で集中的に治療を受けたい患者様や、効果を早く実感したい「重度・根本改善」志向の患者様向けに提供し、まとまった売上を確保できます。
- 会員制: 症状が軽度な患者様や、予防・メンテナンスを重視する「健康志向」の患者様向けに提案し、長期的なお付き合いと安定収入を目的とします。
この併用型は、患者様の多様なニーズに応えるだけでなく、経営面でも柔軟な対応を可能にします。例えば、月次目標の売上が未達の場合でも、プリペイドや回数券のキャンペーンを実施することで調整が可能です。
料金設定においては、単価の高さや現金購入の有無、契約・解約の手間など、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自院の治療コンセプトやターゲット層、提供したい価値に見合った最適なプランを設計することが求められます。患者様が選択しやすいように、特典や割引を明確に示し、比較検討できるツールを用いるのも効果的です。
6. まとめ&会員制度で困ったときの相談先
ここまで、整骨院経営におけるリピート率向上の重要性と、その具体的な施策としての会員制度導入について詳しく見てきました。最後に、本コラムで強調したかったポイントを改めて整理し、皆様が明日から行動に移すための具体的な示唆、そして困ったときに頼れる相談先についてお伝えします。
🔍リピート率向上が、未来の整骨院経営を盤石にする
これからの整骨院経営において、リピート率の向上はもはや「オプション」ではなく「必須」の戦略です。市場が成熟し、競合が増加する現代において、新規患者様の獲得コストは年々高騰しています。一度獲得した患者様を「使い捨て」にするようなビジネスモデルでは、経営を維持することは困難です。
- 安定経営の土台を築く リピート率が向上すれば、売上が安定し、経営計画が立てやすくなります。例えば、会員制度は安定した売上を見込めるため、数値目標を明確に設定しやすくなります。顧客と長くお付き合いを続けることは、不況下においても企業を安定させる重要な基盤となります。
- スタッフが定着し、成長する組織へ リピートする患者様が増えることは、結果的にスタッフの「働きがい」にも直結します。患者様が継続して来院し、健康になっていく姿を見ることは、スタッフにとって大きな喜びとなるはずです。また、理念が浸透し、給与・福利厚生がしっかりしており、スタッフ間の関係性が良好で、明確なキャリアパスが示されている院には、優秀な人材が集まり、定着しやすくなります。リミットレス社のように、スタッフ一人ひとりの可能性を信じ、成長を促す文化を醸成することが、組織全体の生産性向上にも繋がります。
- 地域に愛されるブランドを確立する リピーターが増えるということは、その院が地域に根差し、患者様から深く信頼されている証拠です。単なる「治療を提供する場所」ではなく、患者様にとってオフィスや自宅に次ぐ「第三の場所(サードプレイス)」となるような、居心地の良いコミュニティーを築くことができれば、患者様は自ら進んで口コミを広げ、院の強力なブランドとなっていくでしょう。Googleビジネスプロフィールにおける高評価の口コミや丁寧な返信は、視認性を高め、信頼を得る上で非常に効果的です。
🔍会員制度は、患者様との「絆」を深めるための強力なツール
会員制度は、単なる割引サービスではありません。それは、患者様と院との間に深い「絆」を育み、長期的な関係性を築くための戦略的な「仕組み」です。
- 「単なる割引」を超えた価値提供 会員制度の本質は、患者様の健康を長期的にサポートすることにあります。患者様が「この料金で、こんなに手厚いサポートを受けられるならお得だ」と感じる「お得感」と「価値」のバランスが重要です。若松柔整株式会社の事例のように、回数券と併用することで、短期的な集中治療を求める患者様と、長期的なメンテナンスを求める患者様、双方のニーズに応えることが可能です。
- 長期的な健康サポートの「仕組み」 会員制度は、患者様が継続して通院することで、根本的な改善や健康維持を目指すための強力なツールとなります。しかし、「慣れ」や「麻痺」からくる関わりの希薄化は、休会や退会の原因となり得るため、会員様への継続的な関心と提案の努力が不可欠です。
🔍会員制度導入で困ったときは、専門家にご相談を!
会員制度の導入は、院の経営体質を大きく変革するチャンスです。しかし、その過程で様々な課題に直面することもあるでしょう。
- 「既存患者様への最適なアプローチ方法がわからない」
- 「スタッフ教育をどのように進めればよいか悩んでいる」
- 「料金設定や運用方法で不安がある」
もし、このようなお悩みを抱えていらっしゃるなら、ぜひ専門家にご相談ください。船井総合研究所は、治療院業界の現状と課題を深く理解し、多くの整骨院の経営を支援してきました実績があります。
本コラムでご紹介した内容をさらに深く学びたい方、個別の経営課題について相談したい方は、ぜひ無料レポートや無料経営相談をご活用ください。専門家のアドバイスが、貴院の未来を盤石にするための強力な後押しとなるはずです。
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