目次
平素お世話になっております。
本日は「【償還払いどうなる!?】接骨院・整骨院の今後と柔道整復療養費の取り扱いについて」と題しましてコラムをお送りさせていただきます。
先に本コラムの大項目をお伝えさせていただきます。
既にご存知の内容もあるかと存じますので、ご興味のある内容からご一読いただけましたら幸いです。
1.償還払いと受領委任払いの違い
・受領委任払いのメリット&デメリット
・現在の接骨院業界の潮流
・業界の今後の見通しと取るべき経営方針
・償還払いと受領委任払いの違い
接骨院で取り扱う健康保険の取り扱いのことを療養費支給申請と呼ぶのですが、この方法には2通りあります。こちらが今回のテーマとなる「償還払い」と「受領委任払い」です。
まずは「償還払い」についてお伝えしていきます。
償還払いは柔道整復師(接骨院や整骨院等)にかかった際、施術費用の全額を一時的に負担し、その後健康保険組合に申請して施術費用の負担分一部の払い戻しを受ける方法のことを言います。実は厚生労働省からの情報によりますとこちらの方法が原則とされています。
次に「受領委任払い」についてお伝えします。
先ほどのように、柔道整復師(接骨院や整骨院等)にかかった際は償還払いが原則なのですが、柔道整復については例外的に「受領委任払い」という方法が認められています。
これは病院などのように患者様は自己負担分のみを柔道整復師にお支払いし、残りの健康保険者負担分を患者様に代わって請求するという支払い方法です。
=以下引用=
療養費は、本来患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求をおこない支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復については、例外的な取扱いとして、患者が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」という方法が認められています。
このため、多くの整骨院・接骨院等の窓口では、病院・診療所にかかったときと同じように自己負担分のみ支払うことにより、施術を受けることができます。
=引用終わり=
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/index.html
また、平成31年1月より鍼、灸、マッサージに対しても受領委任制度が導入され、各健康保険組合により方針は異なりますが受領委任制度が利用できるようになっています。
一方、長期・頻回の施術に関しては令和3年7月1日より「あはき療養費の長期・頻回の施術等に関する償還払いに戻せる仕組み」が施行されます。
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000156408_00003.html
2.受領委任払いのメリット&デメリット
受領委任払いは現在多くの接骨院で行われている通り、患者様にとっては自己負担分をお支払いいただくだけで済みますので患者様側にとっては償還払いの面倒を解消した制度です。こうした受領委任払いにもメリット・デメリットの側面があり
ある程度、制度の運用自体がステイクスホルダーのモラルに委ねられる側面が存在するため、「適切な利用を促進する制度」そのものの構築の困難さが付きまとうと考えられます。
3.現在の接骨院業界の潮流
現在国民医療費が増大している一方で、すでにご存じの通り柔道整復療養費については減少しています。また、鍼灸マッサージの療養費の伸びも鈍化している現状です。
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/02.html
「柔道整復、はり・きゅう、マッサージ、治療用装具に係る療養費の推移(推計)」をもとに株式会社船井総合研究所作成
一方で柔道整復師数および柔道整復師の施術所数は伸び傾向にあります。
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/
「就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所」をもとに株式会社船井総合研究所作成
上記を踏まえた上で2020年4月22日に第17回柔道整復療養費検討専門委員会が開催され、下記のような内容がすり合わされました。
1.柔道整復療養費の改定について⇒改定率0.27%となった
2.患者が施術・請求内容を確認する方法について
3.電子請求に係る「モデル事業」の実施⇒マイナンバーの活用も検討されているとのこと
4.支給申請書における負傷原因の1部位目からの記載について⇒今後状況調査を実施
5.問題のある患者に対し保険者において償還払いしか認めない権限を与えることについて
6.復委任について⇒保険者として放置できないという見解
7.柔道整復療養費の支払い方法について保険者裁量制の導入⇒償還払いに戻す可能性を保険者が示唆
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195191_00005.html
「第17回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録(2020年4月22日)」をもとに株式会社船井総合研究所にて要約
ここまでの内容をまとめますと現在の接骨院業界は
①原則は償還払いであり、柔整療養費は例外扱いである
②現行制度での不正の発生=厳格化の余地を持つも実施が難しいこと
③医療費は増大傾向である
④柔整師および施術所数は増加傾向にある
⑤保険者側へ裁量権限の付与を示唆
⑥あはき療養費の償還払いに戻せる仕組みの施行を決定した
という内容をもとに、より一層の厳しい健康保険運用が指向される潮流の中にあると考えられます。
4.業界の今後の見通しと取るべき経営方針
ここまでの内容からすでに健康保険に依存した経営体質の危険性は十分に感じられていることかと存じます。少し先の未来、仮に受領委任払い制度が撤廃された業界について考え、その時に向けて取るべき経営方針を示して本コラムを終了させていただきます。
今後、受領委任払い制度が撤廃されますと後日請求すればよいとは言え、患者様側の一時的な負担金額は実費施術のそれと近しい金額になるでしょう。
その結果「健康保険を利用して施術を受けられる症状」をお持ちの患者様はおそらくより自己負担が少なくて済む業態に移っていくと容易に考えられます。
そしてそもそも「健康保険が利用できない」患者様からも、いかに選ばれるようになるかを考える必要も出てまいります。
その結果「健康保険が利用できない」患者様に選ばれるため、整骨院の枠を超え、すでに実費施術で戦っている多くの業界と戦う必要が出てきます。
ご承知の通りすでに接骨院業界での実費施術市場も成熟期を迎え、実費施術を導入している院様の決して珍しいものではなくなってきました。
市場が飽和してくると次に考えないといけないことは「差別化」です。
つまり今後迎える時流を前に、今までのやり方ではない方法でより強みを見つけ出し、磨いていき多くの競合の中で選ばれるための努力が必要になります。
今のうちに、実費施術でも十分に選んでいただき経営を成り立たせられる準備をぜひ行ってください。
本コラムをお読みいただき誠にありがとうございました。
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