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1. この記事はこんな方におすすめ
整骨院経営者の皆様、日々の院の運営、本当にお疲れ様です。患者様への施術はもちろんのこと、スタッフの育成は、院の未来を築く上で欠かせない、そして時に最も難しいテーマかもしれません。特に、院の次世代を担う新卒スタッフの教育については、多くの経営者様が様々な不安や課題を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
✓新卒採用を考えているものの、具体的な教育体制に不安を感じている
✓新卒スタッフを早期に戦力化し、院の成長を加速させたい
✓スタッフの定着率向上に課題を感じ、より良い育成方法を模索している
✓属人的な教育からの脱却を目指し、誰でも質の高い教育ができる仕組みを作りたい
✓自社の理念をスタッフ全員に浸透させ、組織全体のパフォーマンスを高めたいと
もし、あなたが上記に一つでも当てはまるなら、このコラムはきっとお役に立つはずです。
2. 新卒教育ロードマップとは?
「新卒教育ロードマップ」と聞くと、どのようなイメージをお持ちになるでしょうか?難しそうな計画書を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、ご安心ください。これは、新卒スタッフがあなたの院で輝き、成長していくための「地図」のようなものです。
具体的には、新卒教育ロードマップとは、新卒スタッフが入社してから約1年間で、院の主力メンバーとして自信を持って活躍できるまでの成長過程を、体系的に示した教育計画を指します。単なる技術指導に留まらず、幅広い視点から成長を支援するための具体的な仕組みづくりが目的です。
大切なのは、以下の3つの要素を包括していることです。
✅段階的な成長支援の仕組み
新卒スタッフは、社会人としての基礎から、院の理念やビジョン、そして専門的な施術スキルまで、多岐にわたる知識と技術を習得する必要があります。このロードマップは、それらを一歩ずつ、無理なく、着実に身につけられるよう設計されたカリキュラムです。例えば、技術勉強会やクラス別勉強会などを通じて専門性を高めるとともに、「育成する側の教科書」も作成することで教育の質を均一化します。また、研修動画を撮影し、いつでも見られる環境を整えることも効果的です。
会社では「治療が出来て半人前、教育が出来て一人前」という考え方もありますから、自身が成長した後は後輩の教育に携わる「恩送り」ができる一人前へと育てる道筋を示します。
✅早期戦力化と長期的な定着への指針
新卒採用は、長期的な視点で将来の幹部候補を育成する大きな可能性を秘めています。このロードマップは、新卒スタッフが早期に自信を持って患者様と向き合い、院の力になれるようサポートすると同時に、長く安心して働き続けられる環境を整えるための重要な指針となります。
「新人時代、独身時代の今のうちに「目いっぱい仕事に没頭する」毎日を送っていただきたい。新人時代のいま、仕事に関する「基礎体力」を徹底的に高めておくことは非常に重要です」という考え方に基づき、仕事への向き合い方や基礎体力を培うこともロードマップの重要な要素です。
✅「共感領域」の創出
新卒スタッフが「自分の努力が院の成長に繋がっている」と感じられる「共感領域」を創り出すことが、モチベーション維持と定着の鍵となります。このロードマップを通じて、個人のビジョンと会社のビジョンを重ね合わせることで、「自分の為の努力が会社の為にもなり、会社の為の努力が自分の為にもなる」という好循環を生み出し、スタッフの貢献実感を高めます。
つまり、新卒教育ロードマップとは、単なる「教えて終わり」の教育ではなく、スタッフ一人ひとりが院の未来を共に創っていく「人財」として育ち、定着するための包括的な戦略なのです。この地図があれば、新卒スタッフも安心して、目標に向かって歩みを進めることができるでしょう。
3. 対策を取らないとどうなる?新卒教育の放置リスクと現実的な課題
「教育の重要性は分かっているけど、日々の業務に追われてなかなか手が回らない…」そう感じている経営者様もいらっしゃるかもしれません。しかし、新卒教育の体制を整えずに放置することは、あなたの院にとって、想像以上に大きなリスクとなり得ます。
具体的にどのような問題が起こりうるのか、一緒に見ていきましょう。
✅早期離職の増加
教育体制が不十分だと、新卒スタッフは「何をすればいいのか分からない」「成長できない」といった不安や不満を抱えやすくなります。これは、入社間もない時期の「期待」が「失望」に変わり、結果として早期離職に繋がりやすくなります。ある事例では、教育体制の不備が原因で、期の前半に中途採用者が3人も一気に退職してしまったケースもあります。せっかく採用した大切なスタッフを失うことは、院にとって大きな損失です。
✅採用コストの無駄
新卒採用には、説明会の開催、面接、内定者フォローなど、多大な時間、費用、労力がかかります。もし教育がうまくいかず早期離職に繋がれば、これらの採用コストはすべて無駄になってしまいます。さらに、再採用のための新たなコストも発生し、負のスパイラルに陥りかねません。採用の失敗は、教育で取り返すことができないほどの影響を及ぼすという認識を持つことが重要です。
✅組織力の低下とサービス品質のばらつき
教育が特定のベテランスタッフに属人化していると、「技術の統一が不十分で人によって言ってることが違う」といった問題が生じやすくなります。これは、スタッフごとの施術レベルや患者様への対応に差が生まれ、結果として患者様へのサービス品質が不安定になることを意味します。患者様はどのスタッフに当たっても質の高いサービスを期待していますから、これは院全体の信頼性に関わる大きな問題です。
また、「社員の業務スキルが上がらない」状態では、組織全体のパフォーマンスが低下し、共通の理念やビジョンへの意識も薄れがちです。
✅教育担当者の負担増と疲弊
属人的な教育体制では、責任感の強い少数のスタッフに教育の負担が集中しがちです。彼らは自身の業務に加え、新卒スタッフの指導やフォローに多くの時間とエネルギーを費やすことになります。これにより、教育担当者自身の疲弊やストレスが増大し、「育てられない」という後継者不足の問題に繋がり、最悪の場合、そのスタッフまで離職してしまうリスクがあります。
「社員の行動の実行度を質量ともに管理し求められた成果を出させるのがリーダーの役割です」とあるように、リーダー層には責任が集中しやすく、適切な仕組みがなければ負担が大きくなります。
✅院の成長停滞
新卒スタッフがなかなか育たないことは、将来的な人手不足、幹部候補の不在に直結し、院全体の成長スピードを鈍化させます。経営者としては「未来の業績創り」を続ける必要がありますが、「人材教育のプログラムがない」ために「後輩育成ができない」状況では、次のステージに進むことが難しくなります。結果として、「会社の成長と個人の成長が一致せず、貢献実感が満たされにくかった」という失敗事例にもあるように、組織全体のモチベーションも低下し、停滞へと繋がってしまいます。
これらのリスクを回避し、院の持続的な成長を実現するためには、明確で再現性の高い新卒教育ロードマップの構築が不可欠です。「誰かがやるさ」という傍観者を増やさず、全員が当事者意識を持って成長できる環境づくりこそが、今求められているのです。
4. まず取り組みたい基本的な新卒教育ロードマップ対策
新卒スタッフを1年で主力に育てるためには、闇雲に教育を行うのではなく、戦略的で体系的なアプローチが必要です。ここでは、特に重要な4つの対策をご紹介します。
✅ 理念共感型採用の徹底
新卒教育の第一歩は、採用の段階から始まっています。どんなに素晴らしい教育システムがあっても、院の理念やビジョンに共感できない人材では、その効果は半減してしまいます。
📌「採用の失敗は、教育で取り返せない」という言葉があるように、採用は非常に重要です。かつての「即戦力採用」という考え方から、「理念共感型採用」へとシフトすることが、新卒スタッフの定着と成長の鍵を握ります。
📌院の理念やビジョンを明確に伝え、それに共感してくれる仲間を集めることで、組織の純度が高まり、スタッフ一人ひとりが意欲的に働き、成長し、長く定着してくれるようになります。
📌面接の場では、単にスキルや経験を見るだけでなく、「お互いに合うかどうか」を見極める場と位置づけましょう。時には「時間とお金の交換という働き方を望むのであれば、うちよりも楽なところはいっぱいあるから絶対にそっちに行った方がいいよ」と正直に伝えることも、ミスマッチを防ぐ上で効果的です。
✅ 明確なキャリアパスと評価制度の提示
新卒スタッフがモチベーションを維持し、成長していくためには、将来のビジョンを描けるようなキャリアパスと、その努力が正当に評価される仕組みが不可欠です。
📌新卒スタッフが「この院でどのように成長し、どんな役割を担えるようになるのか」という具体的なキャリアアップの道筋を示しましょう。院の組織図と連動したキャリアパスを提示することで、自分の将来像をイメージしやすくなります。
📌公平で透明性のある評価制度を導入し、個人の頑張りがきちんと認められ、報酬に反映されるようにすることも大切です。評価項目は、「専門性」「組織人」「管理職」といった階層ごとに設定し、それぞれに求められるスキルや行動を具体的に明示すると良いでしょう。
✅ 段階的な教育カリキュラムの構築
新卒スタッフが安心して着実にスキルアップできるような、体系的な教育カリキュラムを準備しましょう。
📌階層別・目的別に研修を構成し、社会人としての基礎、院内ルール、専門スキルなど、段階的に習得できるプログラムを整備します。例えば、技術勉強会やクラス別勉強会は専門スキル向上に直結します。
📌「育成する側の教科書」を作成し、研修動画を撮影していつでも見られる環境を整えることで、教育の質を均一化し、教育が特定のスタッフに属人化するのを防ぎます。宿題として動画視聴を課し、完了後にタスクを与えることで、進捗管理も容易になります。
✅ 定着を促す仕組みと環境づくり
新卒スタッフが長く安心して働き続けられるような、心理的・物理的な環境を整えることも非常に重要です。
📌スタッフ一人ひとりが「自分の努力が院の成長に繋がっている」と感じられる「共感領域」を創り出すことが、何よりも重要です。個人のビジョンと会社のビジョンを重ね合わせることで、「自分の為の努力が会社の為にもなり、会社の為の努力が自分の為にもなる」という良い循環を生み出し、高いモチベーションを維持させます。
📌「仲間を大事にする」風土を醸成しましょう。上司はチーム全体のことを優先し、先輩は後輩の面倒を積極的に見る。そして、後輩は先輩をリスペクトする。このような関係性が、院全体の結束力を高めます。
📌社員間のコミュニケーションを活発にするために、社内イベント(ボーリング大会、社内懇親会、お花見、新人歓迎会、誕生日サプライズなど)を企画・実施することも効果的です。
これらの対策を地道に、かつ戦略的に実行していくことで、新卒スタッフは確実に成長し、あなたの院の強力な主力となることでしょう。
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5. よくある質問
新卒スタッフの教育について、経営者の皆様からよくいただく質問にお答えします。
Q1: 新卒教育はどれくらいの期間をかけるべきですか?
A1: 新卒教育ロードマップの基本的な考え方としては、入社から約1年間で、新卒スタッフが院の主力メンバーとして自信を持って活躍できる状態を目指すのが理想的です [会話履歴]。この1年間は、社会人としての基礎や院の理念の浸透から始まり、段階的に専門スキルを習得していく期間となります。
具体的な期間の目安としては、まず3ヶ月間を仮配属期間として設定し、基礎的な業務や院の雰囲気に慣れてもらうと良いでしょう。この期間で、院のルールや簡単な受付業務、患者様とのコミュニケーションの基本などを身につけてもらいます。その後、人事会議を経て本配属を決定し、専門的な施術スキル習得へと移行していきます。
技術習得の具体例としては、骨盤のリスティングが1週間、下肢マニピュレーションが2週間、上半身マニピュレーションが3週間、触診(ピンク)が1ヶ月、触診(緑)が2ヶ月、触診(青)が4ヶ月など、スキルごとに目安の期間を設定し、着実にステップアップできるようにカリキュラムを組むことが重要です。
Q2: 教育担当者が不足している場合、どうすれば良いですか?
A2: 「教育者不足」は多くの整骨院が抱える共通の課題です。この問題に対処するためには、教育を特定の個人に依存させず、仕組み化・標準化することが鍵となります。
まず、「育成する側の教科書」を作成し、教育内容や手順を明確に言語化しましょう。さらに、研修内容を動画で撮影し、いつでもスタッフが見返せる環境を整えることは非常に有効です 。これにより、教える側の負担を軽減し、教わる側も自分のペースで学習を進めることができます。例えば、動画視聴を宿題とし、その後に実践的なタスクを与えることで、効率的にスキル習得を促せます。
また、院内で「治療が出来て半人前、教育が出来て一人前」という理念を共有し、「恩送り」の文化を醸成することも大切です [会話履歴, 6]。先輩スタッフが後輩の教育に積極的に関わることで、教育担当者の負担を分散し、院全体の育成能力を高めることができます。経営者自身も、週に2回午前中だけ現場から離れて教育体制の構築に時間を割くなど、トップが率先して教育環境を整備する姿勢が求められます。
6. まとめ&新卒教育で困ったときの相談先
ここまで、新卒スタッフを1年で主力へと育てるための「新卒教育ロードマップ」について、その重要性、放置リスク、そして具体的な対策とよくある質問について解説してきました。
新卒採用は、院の未来を担う大切な「人財」を迎え入れる一大プロジェクトです。「採用の失敗は教育で取り返せない」という言葉が示す通り、採用と同じくらい、いやそれ以上に、入社後の教育体制の構築と実践が、院の成長とスタッフの定着には不可欠です。
新卒スタッフが「新人時代、独身時代の今のうちに「目いっぱい仕事に没頭する」毎日を送っていただきたい。新人時代のいま、仕事に関する「基礎体力」を徹底的に高めておくことは非常に重要です」という考え方に基づき、安心して仕事に打ち込み、自身の成長が会社の成長につながる「共感領域」を見つけられるよう、経営者として最高の舞台を用意してあげてください。
このコラムでご紹介したロードマップは、新卒スタッフが自律的に成長し、院の主力として長く活躍するための基盤となるはずです。ぜひ、今日から一つでも実践できることから取り組んでみてください。
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