【知っていますか?】整骨院・接骨院の給与の決め方
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いつもお読みいただきありがとうございます。
船井総研の境です。
2023年も下半期に入りましたね。
6月に夏のボーナスを支給された企業様もあるのではないでしょうか?
経団連は夏季賞与について、大手企業における夏のボーナス平均妥結額は、
前年(2022年)比3.91%増の95万6,027円だったと公表しています。
一方で物価上昇が続く中、給与は上がっておらず実質給与は下がっているといえるのではないでしょうか。
さて、皆様の院ではどのように給与を決めていますか?
経営者様とお話させていただくと、
「給与の決め方がわからない」とのお声を多くお聞きします。
本コラムでは「給与の決め方」はもちろん、給与体系についてお伝えします。
整骨院における給与体系の構成とは
整骨院における給与体系は、複数の給与によって構成されています。
・基本給
所定労働時間の業務に対して支払われる賃金です。
勤続年数に応じて上昇するケースや、等級によって定められた基本給になっているケースが多いです。
基本給は賞与や残業代、退職金などに影響するため、高めに設定してしまうと人件費全体が高騰してしまうので注意が必要です。
・職能給
社員の職務内容の重さや難易度に対して支払われる賃金です。
評価制度で定める項目の評価によって、社員のスキルレベルを把握して支払います。
・職能給
職能給は従業員の経歴やスキルを重視します。
職能給は新卒一括採用・終身雇用・年功序列の仕組みと相性がよい形態です。
・職務給
職能給が経歴やスキルを重視するのに対し、職務給は業務の内容に応じて決められる給与です。成果主義に近い考え方となります。
一般的に職務給は、資格手当も含む場合が多いです。
役職手当などは「手当」と名前がつきますが、職務給の一種といえます。
院長やマネージャーなどの管理職に就く社員には「管理職手当」として職務給が与えられることが多いです。
資格手当は資格保有者に支払われる賃金です。
整骨院の場合、柔道整復師、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師といった国家資格保持者が勤務するため、それぞれの資格に対して支払われるのが一般的です。
ここまでお伝えした給与は合算して月次で支払われます。
・賞与(ボーナス)
業績に応じて支払われるのが賞与(ボーナス)です。
整骨院業界では年1回〜年2回程度、企業の業績に応じて支払われることが多いです。
賞与には種類があります。
・基本給連動型:基本給部分に連動して賞与の支給額を決定する制度。
「基本給額×○カ月分(支給月数)」と決められているケースが多い。
・業績連動型賞与:賞与額を決定するにあたって、企業業績や部門業績、個人業績を連動させる制度。
賞与原資の決め方は以下の通りです。
・経常利益(営業利益+営業外収益-営業外費用)
・営業利益(売上総利益-販売管理費および一般管理費)
賞与の原資が決定したら、従業員個人の配分である「個別賞与額」を決定します。
支給額は『基準額×平均支給月数×評価係数』が計算方法としてよく使われます。
・決算賞与:決算賞与は会社の業績結果が良かったら出す賞与。
・インセンティブ
個人の業績目標や一定の期間に達成した成績に応じて支払われるものです。
整骨院の場合、一人あたりの生産性や物販の売上に設けている例があります。
・諸手当
基本給の他に諸費用として支払われる給与です。
手当には2種類あります。
①労働基準法により定められている手当(時間外労働、深夜手当など)
②企業が任意で支給する手当
・家族手当… 扶養家族がいる場合に支給する手当
・住宅手当… 労働者の家賃の一部や住宅ローンの返済の補助のために支給する手当
・通勤手当… 通勤にあたって必要となる費用を補助するために支給する手当
ここまで給与体系についてお伝えしてきました。
ここからは給与体系の役割についてお伝えいたします。
給与体系の役割とは?
給与体系を整備することで様々な成果をもたらします。
・従業員のモチベーション維持・向上
・人材の確保や定着を促進
・人件費のコントロール
給与体系を整備することで、従業員は「何を頑張ったら給与が上がるか」が明確になります。結果としてモチベーション維持や向上に繋がるのです。
また、成長期の企業では新たに社員を採用することが多くなりますが、
地域や同業の平均より高い給与を設定すれば、その給与に魅力を感じ、企業に就職を希望するでしょう。
整骨院業界では大手グループ院が、月給の高さを一つの強みとしています。
給与体系は「高いほどよい」と思われがちですが、企業の安定面からは慎重に検討すべきです。
高い給与体系は人件費の高騰に直結するため、損益分岐点も上がります。
給与体系の決め方について
ポイントを4つお伝えします。
①月次支給の給与全体で調整する
基本給や諸手当など月次で支給する給与項目それぞれのバランスを考慮します。
基本給だけで給与を考えるのではなく、役職手当や資格手当、残業手当などを含めた全体の給与で給与を構築します。
例えば基本給が18万円だとしても資格手当や残業手当も含めると、月給20万円を超えるでしょう。
役職や年次が上がるごとに基本給も上がるケースが多いので、基本給の上げすぎには注意が必要です。
②社会保険料負担額に配慮する
健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険といった4つの社会保険料の負担率を合計すると約14%となります。給料20万円の社員の社会保険料負担額は約2万5千円となります。
社員にとって給与は手取り額といっても良いでしょう。
手取りベースで給与を考えることは社員の定着、モチベーションアップに繋がるといえます。
③賞与・インセンティブなどの還元
賞与・インセンティブの設計もポイントです。
特にインセンティブは社員にとって頑張った成果が見えやすいものになります。
生産性や物販に一定の基準を設け、インセンティブを設計している整骨院もあります。
④同地域や同業他社の水準を考慮
自社の給与体系が劣る場合、採用難や人材の流出に繋がる可能性があります。
市場平均よりあまりに高く設定する必要はないですが、同地域や整骨院業界の水準は把握しておきたいものです。
なお柔道整復師の仕事の平均年収は約371万円で月給で換算すると31万円、初任給は25万円程度が相場のようです。
ただし全体の給与幅としては306〜743万円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があると見受けられます。(求人ボックス給料ナビより)
ここまでお読みいただきありがとうございました。
いざ給与体系を整備しようと思っても難しいことが多いと思います。
給与を設計する場合は、評価制度も整備すると良いでしょう。
給与体系を整備する際は従業員の評価と連動させることで適正な運用が可能となります。
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