Q.治療院に適した人事評価を導入して組織を活性化するには?

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執筆者治療院支援部
コラムテーマ経営課題FAQ
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A.治療院の組織活性化には、単なる給与査定ではなく「スタッフの成長」と「経営ビジョンの実現」を主眼に置いた人事評価制度が不可欠です。明確なキャリアパス(等級制度)を示し、定量(成果)と定性(プロセス)の両面から公平に評価・フィードバックする仕組みを整えることで、納得感とエンゲージメントを高め、自律的に成長する組織を実現します。

1. 将来像が見える「等級制度(キャリアパス)」の設計

組織活性化の第一歩は、スタッフが将来のビジョンを描けるようにすることです。そのために「等級制度(キャリアパス)」と、それに紐づく「賃金制度」を整備します。

• 成長ステップの可視化

「1等級(ジュニア)」「2等級(シニア)」「3等級(主任)」「4等級(副院長・院長)」「5等級(マネージャー)」といったように、階層ごとの役割と責任を定義します。例えば、1等級は「技術習得中」、2等級は「単独で診療可能」、5等級は「分院責任者として目標達成を行える」といった具体的な基準を設けます。

• 複線型キャリアの導入

全員が管理職を目指すわけではありません。マネジメントが得意な人材向けのコースだけでなく、技術を極めたい人材向けの「治療家コース(スペシャリスト)」を用意するなど、個人の適性に合わせたキャリアの選択肢を提示することで、多様な人材が活躍できる環境を作ります。

2. 納得感を生む「定量評価」と「定性評価」のバランス

評価に対する不満の多くは、基準の曖昧さから生じます。数字で測れる「定量評価(結果)」と、行動やプロセスを測る「定性評価」を組み合わせ、多角的に評価します。

• 定量評価(成果・業績)

個人の頑張りを測る「個人目標」と、チームへの貢献を測る「組織目標」を設定します。指標としては、「個人生産性」「2回目リピート率(目標90%)」「5回目リピート率(目標60%)」などのKPIを設定し、成果を明確にします。

• 定性評価(行動・専門性)

数字には表れにくい部分を評価します。「治療技術・知識の習得度」といった専門性に加え、「理念・ビジョンの体現度」「チームへの貢献」「報告・連絡・相談(報連相)」といった組織人としての姿勢を評価項目に入れます。これにより、単に売上が高いだけでなく、周りから信頼されるスタッフを高く評価することができます。

3. 制度を形骸化させない「運用」と「フィードバック」

評価制度は作って終わりではなく、運用こそが肝心です。特に重要なのが、評価結果を伝える「フィードバック面談」と、評価者のレベルを合わせる「考課者訓練」です。

• 成長支援の場としての面談

フィードバック面談は、単に点数を伝える場ではありません。良かった点を「承認」し、課題に対する「フィードバック」を行い、次期の「目標設定」を一緒に行う「成長支援(共育)」の場です。上司と部下が対話し、納得感を持って次のアクション(行動計画)に移れるようにすることが、組織の活性化につながります。

• 評価者の目線合わせ

院長やマネージャーによって評価基準がブレないよう、「考課者研修」を実施します。「ハロー効果」や「中心化傾向」などの評価エラーを防ぎ、公平・公正な評価ができるようトレーニングを行うことが、制度への信頼性を高めます。

船井総研の提言

評価制度は「人的資本経営」の要これからの治療院経営において、人材は「資源(消費するもの)」ではなく「資本(投資して価値を生むもの)」と捉える「人的資本経営」の視点が不可欠です。人事評価制度を、スタッフの能力を引き出し、組織のエンゲージメント(定着率)を高めるための最大の「投資」と位置づけてください。人が育ち、定着する組織づくりこそが、持続的な成長(サステナグロース)を実現する鍵となります。

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執筆者 : 治療院支援部

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