Q.整骨院の分院展開を失敗させないための店舗管理術とは?

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執筆者治療院支援部
コラムテーマ経営課題FAQ
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A.整骨院の分院展開を成功させるには、院長の「個の力」に依存した経営から、組織で成果を出す「仕組み経営」への転換が不可欠です。具体的には、施術と接遇の「標準化」、分院長を育てる「評価・教育制度」、そして離れた拠点の状況を数値で把握する「DX(経営の見える化)」の3つを徹底することで、多店舗化に伴う質の低下や管理不全を防ぐことができます。

1. サービスの質を担保する「業務の標準化」

分院展開において最も恐れるべきは、店舗によるサービスの質のバラつきです。「本院は良いけど、分院は微妙」という評判は、グループ全体のブランドを毀損します。

• 治療コンセプトの言語化とマニュアル化

院長の感覚で行っていた施術や問診を、誰でも再現できるように言語化・マニュアル化します。治療技術だけでなく、「なぜその治療が必要なのか」というコンセプトを全スタッフが理解し、患者様に説明できるように教育します。

• 品質チェック体制の構築

技術レベルの下限品質を担保するために、定期的なチェック体制を設けます。「見て盗め」ではなく、明確な合格基準に基づいたテストを実施し、合格者のみが施術に入れる仕組みを徹底します。これにより、どのスタッフが担当しても一定以上の満足度を提供できる体制を整えます。

2. 任せられる人材を育てる「教育と評価制度」

分院を任せられる「分院長」の育成は、展開のスピードと質を左右する最重要課題です。

• キャリアパスと評価の連動

「頑張れば分院長になれる」という漠然とした期待ではなく、明確な等級制度(キャリアパス)を用意します。「一般」「主任」「副院長」「分院長」「マネージャー」といった階層ごとに、求められるスキル(技術、売上、マネジメント)と報酬を定義します,。

• 階層別研修の実施

技術研修だけでなく、管理者として必要な数値を読む力や部下育成のスキルを学ぶ「マネージャー研修」や「分院長研修」を実施します。経営者視点を持ったリーダーを計画的に育成することで、安心して店舗を任せることができるようになります。

3. 離れていても現場が見える「DXによるリアルタイム経営」

店舗が増えると、院長がすべての現場に立ち会うことは物理的に不可能です。感覚や報告だけ頼る管理では、問題の発見が遅れます。

• 経営数値の「見える化」

レセプトコンピュータや予約システムと連携したCRM(顧客管理システム)やBIツール(ビジネスインテリジェンス)を導入し、全店舗のデータを一元管理します。売上だけでなく、「予実管理」「リピート率」「離反率」「稼働率」といった重要指標(KPI)を、日次・月次・スタッフ別にリアルタイムで可視化します。

• データに基づく遠隔指導

「最近どう?」という曖昧な会話ではなく、データに基づいて「A店の新規リピート率が下がっているから、初診対応のロープレを強化しよう」といった具体的な指示出しが可能になります。これにより、物理的な距離があっても、的確な経営判断と現場フォローを行うことができます。

4. 採用力を強化し、成長のエンジンを止めない

分院展開を継続するためには、安定した人材供給(採用)が不可欠です。

• 採用ブランディングの強化

柔道整復師や鍼灸師の採用難易度は年々上がっています。単なる条件提示だけでなく、整備された教育カリキュラムやキャリアパス、そして「サステナグロースカンパニー(持続的成長企業)」としてのビジョンを提示し、求職者に「ここでなら成長できる」と感じさせる採用戦略を展開します。

船井総研の提言

成長痛を乗り越える「基盤づくり」を分院展開は、整骨院経営における大きな飛躍のチャンスですが、同時に組織の歪みが生じやすいタイミングでもあります(成長痛)。「勢い」だけで出店するのではなく、マーケティング(集客)とマネジメント(組織づくり)の両輪をバランスよく強化することが重要です。特に、DXを活用した数値管理と、人が育つ人事評価制度の構築は、多店舗展開を成功させるための必須インフラと言えます。これらを整え、地域医療に貢献する強い組織を作ってください。

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執筆者 : 治療院支援部

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