Q.治療院のスタッフの離職防止に繋がる評価制度の作り方は?

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執筆者治療院支援部
コラムテーマ経営課題FAQ
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A.治療院の離職防止には、単なる査定ではなく「将来のキャリアが見える」評価制度が不可欠です。理念と連動した等級制度で成長の道筋を示し、定量・定性の両面から公平に評価することで、納得感とエンゲージメント(帰属意識)を高め、定着率を劇的に向上させる仕組みづくりについて解説します。

1. 将来が見える「キャリアパス(等級制度)」の設計

離職を防ぐためには、まず「この会社で頑張れば、将来どうなれるのか」を可視化する必要があります。これが「等級制度(キャリアパス)」です。

• ステップの明確化

「新卒(1等級)」から始まり、「一般(2等級)」「主任(3等級)」「院長(5等級)」「マネージャー(6等級)」といったように、階層ごとの定義と役割を明確にします。

• 多様なキャリアの提示

全員が院長やマネジメント職を目指すわけではありません。技術を極めたいスタッフのために「スペシャリストコース」を設けるなど、個々の適性や志向に合わせた複数のキャリアコース(複線型人事制度)を用意することも有効です。

• 基準の公開

各等級に昇格するために必要な条件(売上実績、習得技術、勤務態度など)を「昇格要件」として明文化し、全スタッフに公開します。ゴールが明確になることで、日々の業務へのモチベーションが維持されます。

2. 納得感を生む「定量評価」と「定性評価」のバランス

評価に対する不満は、基準の曖昧さから生まれます。「定量(数字)」と「定性(行動・プロセス)」の両軸で評価項目を設定し、公平性を担保します。

• 定量評価(成果)

「個人売上」「指名数」「リピート率」など、数値で測れる実績です。ただし、個人の数字だけでなく、「院全体の目標達成率」などの組織目標も評価に組み込むことで、チームワークを重視する風土を作ります。

• 定性評価(プロセス・姿勢)

「理念の体現度」「技術力」「後輩指導」「患者様への対応」など、数字に表れにくい行動面を評価します。特に治療院では、企業理念(ミッション・ビジョン)への共感が定着の鍵となるため、理念に沿った行動ができているかを重要視します。

3. 「賃金制度」との連動で安心感を作る

評価結果が給与にどう反映されるかが不明確だと、不信感に繋がります。

• 賃金テーブルの開示

等級ごとに給与レンジ(下限〜上限)が決まった「賃金テーブル」を作成し、公開します。「評価が上がれば、これだけ給与が上がる」という連動性を明確にすることで、将来の生活設計が立ちやすくなり、安心して働き続けることができます。

• 評価者によるバラつきをなくす

院長やマネージャーによる「好き嫌い」での評価を防ぐため、評価者研修(考課者訓練)を実施し、評価基準の統一を図ります。

4. 制度運用

フィードバック面談で「成長」を支援する

評価制度を作って終わりではありません。最も重要なのは、その運用プロセスです。

• フィードバック面談の実施

評価結果をただ伝えるだけでなく、なぜその評価になったのか、次はどうすれば昇格できるのかを話し合う「フィードバック面談」を必ず実施します。上司が部下の成長に関心を持ち、支援する姿勢を見せることが、信頼関係(エンゲージメント)を深めます。

• 1on1ミーティングの活用

評価の時期だけでなく、月に1回程度の頻度で1on1ミーティングを行い、日頃の悩みやキャリアの相談に乗る時間を設けます。心理的安全性を確保し、関係の質を高めることが、結果の質(業績)と定着率の向上に繋がります。

船井総研の提言

評価制度は「人への投資」これからの治療院経営において、人材こそが最大の資本です。評価制度を単なる「給与決定ツール」としてではなく、スタッフの成長を促し、組織へのエンゲージメントを高めるための「人への投資」と捉えてください。適正な評価とフィードバックを通じて、スタッフが「ここで働き続けたい」と心から思える環境(サステナグロースカンパニー)を作ることが、離職防止の最短ルートとなります。

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執筆者 : 治療院支援部

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