A.整体院で回数券をスムーズに販売する秘訣は、提案の「タイミング」と「目的の共有」にあります。いきなり価格やお得さをアピールするのではなく、問診で患者様と「治ったら何がしたいか(ゴール)」を共有し、その達成には「継続通院が不可欠である」という納得感を作った上で、最後に「通いやすい手段」として回数券を提示するのが鉄則です。
1. 問診で「痛み」の先にある「ゴール」を共有する
回数券販売の準備は、問診の時点から始まっています。単に「どこが痛いですか?」と症状を聞くだけでは不十分です。「その痛みがなくなったら、何がしたいですか?」という質問を通じて、患者様の本質的なニーズ(ゴール)を引き出します。
• トーク例
「〇〇さん、もしこの腰の痛みがなくなったら、一番やりたいことは何ですか?」 「また趣味の野球を思い切り楽しみたいですね」 「素晴らしいですね!では、野球ができるお身体に戻ることを目標(ゴール)に一緒に頑張りましょう」このようにゴールを共有することで、患者様の通院目的が「痛みを止めること」から「野球ができる身体になること」へとシフトし、継続通院への動機付けが強化されます。
2. 検査と施術で「信用」と「必要性」を作る
患者様は「この先生なら治してくれる」という確信が持てなければ、高額な回数券を購入しようとは思いません。検査やプレ施術を通じて、身体の変化(ビフォーアフター)を視覚・体感覚で明確に実感させることが不可欠です。
• トーク例
「先ほどと比べて、腕がこれだけ上がるようになりましたね。これは、痛みの原因である背骨の歪みが調整されたからです」 「本当だ、軽くなりました!」 「ただ、長年の癖で身体はまた悪い状態に戻ろうとします。〇〇さんの場合、この良い状態を定着させるには、根本的な改善が必要です」ここで重要なのは、一時的に痛みが取れたとしても、根本原因を解決しなければ再発するという事実を、専門家として論理的に伝えることです。
3. 回復曲線を用いて「通院の根拠」を示す
治療計画の提案(プレゼンテーション)では、なぜ継続通院が必要なのかを視覚的に理解してもらいます。「回復曲線」などのグラフツールを用い、治療間隔が空くと元の状態に戻ってしまうこと、計画的に通院すれば右肩上がりに回復することを説明します。
• トーク例
「人間の身体には元の状態に戻ろうとする性質があります。今日治療して良くなりましたが、何もしなければ数日で戻ってしまいます」 「〇〇さんが目標とする『野球ができる状態』になるには、戻りきる前に次の治療を行う必要があります。具体的には、最初の3週間は週2回のペースで通っていただき、まずは痛みの出ない身体を作っていきましょう」ここで、プロとして最適な通院頻度と期間を断定的に伝えることが、患者様の安心感につながります。
4. 「お得さ」ではなく「通いやすさ」として提案する
回数券の提案は、ここまでのステップで患者様が「通う必要がある」と納得した後、最後の最後に行います(クロージング)。あくまで「ゴール達成のための最適な手段」として提示します。
• トーク例
「〇〇さんのゴールを達成するには、最低でも3ヶ月、計○回の通院が必要です。その間、都度払いですと1回〇〇円かかりますが、継続して通いやすいように回数券もご用意しています」 「例えば、10回券ですとトータルで〇〇円お得になり、1回あたりの負担も軽くなります。〇〇さんの場合、しっかり治すためにこちらを利用されるのが一番良いかと思いますがいかがでしょうか?」ポイントは、「安いから買いませんか?」ではなく、「治すためには回数が必要であり、それなら回数券の方が通いやすいですよ」というスタンスで提案することです。これにより、売り込み感を消しつつ、患者様にとってのメリットとして受け入れてもらいやすくなります。
船井総研の提言:回数券販売は「コミットメント」の証
回数券の販売は、単なる売上の先取りではありません。患者様と施術者が「ゴール達成に向けて一緒に歩む」という約束(コミットメント)を取り交わす行為です。この意識を持ち、問診からクロージングまでの一連の流れを仕組み化(マニュアル化)することで、スタッフ全員が自信を持って提案できる強い組織を作ってください。

